Yoko's 人生=旅 on this Blue Planet
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弁護士深草徹の徒然日記:緊急事態条項と憲法9条・立憲主義(5)2016.6.22. 〜(10)平和主義と自衛権 2016.7.22.
緊急事態条項憲法9条立憲主義(5)弁護士深草徹の徒然日記:緊急事態条項と憲法9条・立憲主義(5)2016.6.22.

現代立憲主義

 「王様も憲法に縛られる」という意味での立憲主義は古典的立憲主義である。イギリスでは、17世紀末には、既にその段階を突き抜けていた。
 200年も遅れて、我が国は、その背中をはるか後方からようやく望見できるところにたどりついたが、それもつかの間、「王様」は、神となって、憲法を超越してしまった。絶対的天皇制とファシズムが猛威をふるい、国民は、独裁のくびきに呻吟し、未曾有の犠牲を被った。

 一方イギリスの経験は、ホッブス、ロック、ルソーらの思想によって豊かに潤色され、アメリカとフランスの貴重な経験に引き継がれて、人類普遍の共有財産に高められた。


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緊急事態条項憲法9条・立憲主義(6)弁護士深草徹の徒然日記:緊急事態条項と憲法9条・立憲主義(6)2016.7.18.

平和主義自衛権(その1)

 現代立憲主義においては、戦争と武力行使を違法とする平和主義が、その重要な構成要素となることを述べた。
 ところで、一般にそのような平和主義の例外として、国際法上、自衛のための戦争と武力行使(以下「自衛権の行使」という。)は認められるとされている。
 検討すべき課題は二つある。一つは、国際法上、自衛権の行使は、どのように位置づけられるかということ。もう一つは日本国憲法では、自衛権の行使はどのように取り扱われるかということ。

 早速、一つ目の問題からみていくことにする。

聖戦論、正戦論、無差別戦争論


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緊急事態条項憲法9条立憲主義(7)弁護士深草徹の徒然日記:緊急事態条項と憲法9条・立憲主義(7)2016.7.19.

平和主義自衛権(その2)

自衛権前史

 第一次大戦前は、無差別戦争論(戦争の自由・同盟の自由)の時代であったから、本来、自衛権が国際社会において権利もしくは戦争の正当化理由として機能する余地すらなかった筈である。しかし、国際紛争と外交交渉の場で、自衛権が語られることはしばしばあった。いわば外交上の方便としての自衛権である。

 国際法学者によって、自衛権の問題として、語り伝えられるカロライン号事件は、そのようなものであった。

 カロライン号事件とは、概要以下のような事件であった。

 米国と英領カナダの境にあるナイアガラ川のカナダ領内にネイヴィ島という妙にキナ臭い名前の島があった。1837年当時、そこを拠点として、カナダの英国からの独立を目指す人々が武器をとって英国と戦っていた。その独立派の人々に対し、米国人所有の船カロライン号が、米国側とネイヴィ島との間を往復し、人員、武器、物資を輸送していた。英国は、かねて米国にその取り締まりを要求していたが、はかばかしい効果がない。そこでカナダ提督指揮下の英軍が、米国ニューヨーク州シュロッサー港に停泊中のカロライン号を急襲し、火を放った上、ナイアガラの滝から落下させてしまった。同年12月29日深夜の出来事である。


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緊急事態条項憲法9条立憲主義(8)弁護士深草徹の徒然日記:緊急事態条項と憲法9条・立憲主義(8)2016.7.20.

平和主義と自衛権(その3)

国際法上の自衛権の確立

 無差別戦争論(戦争の自由・同盟の自由)の時代は、英、仏、独、それに新興国米国を含む列強諸国による帝国主義的領土分割の時代でもあった。やがて、それは、わが国もその驥尾に加わり、蘭熟し、20世紀における二度にわたる世界大戦という疾風怒濤期を経て終息期に向かう。さしずめ現在はその最後の時期にさしかかっていると言ってよいのかもしれない。

 その大きな時代の移り変わりの中で、戦争と平和という人類史的テーマにかかわる国際法(国際条約法と国際慣習法)も様変わりして行く。

 かつて例をみない惨害をもたらした第一次世界大戦がエポックを画した。全世界を覆う平和運動の波とロシア革命を先頭とする変革の嵐。やがて国際連盟が設立され、国際社会あげて、軍縮の実現をめざし、戦争と武力行使を違法とし、禁止し、それに反する行動をとった国には国際連盟による制裁を科すという道が模索された。
 ヨーロッパの英、仏、伯、伊、独5カ国間のロカルノ条約を経て、とにもかくにも戦争と武力行使を違法とし、禁止するパリ不戦条約が締結されたのは1928年のことであった。


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緊急事態条項と憲法9条・立憲主義(9)弁護士深草徹の徒然日記:緊急事態条項と憲法9条・立憲主義(9)2016.7.21.

平和主義と自衛権(その4)

巨大な前進

 無差別戦争論(戦争の自由・同盟の自由)の時代から戦争と武力行使を違法とする時代へ、人類は巨大な前進を遂げた。しかし、それは直線的な前進ではない。

 何よりも戦争と武力行使を正当化する自衛権が承認されていたこと。ただし、それは、前回述べたところから、今日でいうところの個別的自衛権のことであることは明白であった。

 もっとも英国がパリ不戦条約調印に際し差し入れた交換公文に「世界にはイギリスの平和と安全に特別で死活的な利害関係のある地域があるが、それらの地域を攻撃から守ることは、イギリスにとってひとつの自衛措置だ。」と明記されており、個別的自衛権を超える自衛権を主張していた。英国は、パクスブリタニカの夢からいまだ覚醒しきっていなかったようである。

注:この交換公文に明記されたイギリスの立場は、当時の外相チェンバレンの名前をとって、チェンバレン・ドクトリンと呼ばれている。


 また遅れて帝国主義列強の末席に連なることになったわが大日本帝国も鼻息は荒かった。パリ不戦条約批准は、時まさに幣原協調外交から田中儀一強権外交に席を譲った頃であった。わが大日本帝国は、満蒙の特殊権益なる特異な主張をし、それを守ることも自衛権の行使だと国際社会に向けて公然と主張していた。

さらなる前進と逆流


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緊急事態条項と憲法9条・立憲主義(10) 弁護士深草徹の徒然日記:緊急事態条項と憲法9条・立憲主義(10)2016.7.22.

平和主義と自衛権(その5)

いわゆる集団的自衛権について

 国連憲章51条中の「個別的又は集団的自衛の固有の権利」について、その意義、目的、要件を定めた規定は憲章中には存在しないし、その制定過程においても、それについて議論さえもなされていなかったことは、既に述べたとおりである。
そのことの意味するところを考えれば、国連憲章は、従来の自衛権概念を何ら変更していないということであり、従来どおりの自衛権を確認したに過ぎないということになる筈である。
 ところで実際に加盟国の実情を見てみると、加盟国には自衛権を行使し得るに足る軍備を保有する国もあれば、そうではない国もある。前者は、自ら侵略を排除する措置をとればよいが、後者の国はそれができない。そこで後者の国は、自ら加盟する国連の集団的安全保障措置により侵略を排除してもらうことを期待するだろう。しかし、国連の現状では、その負託に必ずしも応えられない。そこで、そのような国は、一定の関係国の支援により、自国に対する侵略を排除してもらうことが認められるべきである。それも自衛権の行使のありようではないか。
 そうしたことを確認したのが国連憲章51条であり、「個別的又は集団的自衛の固有の権利」なのである。

 残念ながら、戦後、国際法学者はこのような読み解きをしないで、「個別的自衛の固有の権利」を従来から国際法で認められていた自衛権(今ではこれを個別的自衛権と呼んでいる。)のほかに、「集団的自衛の固有の権利」を国連憲章が新たに認めた集団的自衛権と解してしまった。そして、諸国家及び国連もそうした解釈の下で国際政治、外交、国際紛争に対処することになっていった。

 しかし、そうではあっても、国際法学者の主流的な立場の人たちは、国連の集団的安全保障、即ち加盟国の武力行使を禁止し、国連安保理が平和の維持、安定のための措置をとることを旨とする体制を、恒久平和を達成するための至高の到達点ととらえ、これを危殆に陥れないように、集団的自衛権の行使を限定しようとし、自国防衛説と言われる見解を唱えた。この見解では集団的自衛権とは、他国に対する武力攻撃が同時に自国の死活的利益を危うくする場合に、自国の防衛のため、当該武力攻撃に反撃する権利である説かれている。ところが自国防衛説は、現実には、米国とその同盟国、旧ソ連とその同盟国など大国が、自国の国益を守り、そのヘゲモニー、イデオロギーを強制するために、侵略と干渉の道具として集団的自衛権を濫用する論拠となってしまった。

 これに対し、ニカラグア事件に関する国際司法裁判所の判決(1986年)は、集団的自衛権の要件として、被害国における自衛権要件の充足と、被害国の明示の要請をあげた。これは他国防衛説と言われる見解で、国際司法裁判所は、自国防衛説のもとで集団的自衛権の濫用を招き、国連による集団安全保障が危うくされている現状を直視し、敢えてこの見解を採用することにより、集団的自衛権を限定しようとしたものと考えられる。
 現在は、むしろこの見解が国際法学の主流となっている。


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テーマ:軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル:政治・経済

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