Yoko's 人生=旅 on this Blue Planet
高速回転中の青い惑星地球、負けじと走り回る一人の記録。
書き起こし付き!! 〜 必聴!! 〜 木村真三 × 青木 理:「原発事故の健康や生活への影響」(JAM THE WORLD) 2017.03.10.
**木村真三さんのお話、書き起こしました!
 昨日は、デス・ヴァレーの北東部のネヴァダ側から南西部のカリフォルニア側の端まで南北に9時間+ほどかけて移動した。好天だったが、前夜から強風が吹き荒れ、昼ごろまで続いた。サングラスをしていても、眼まで焼かれた感覚があり、今日は休息日とした。
 木村真三さんのお話は、ぜひ皆さんにじっくりと聞いていただきたく、休みがてら書き起こしてみた。間をとる言葉は抜けている部分もあるが、本旨はほぼ全部書き記した。忘れてはいけない放射能汚染、しっかり脳裏に刻んでください。
 女の仕事もそうだけど、男の仕事も心構えもここまで来ると見事。格好いい領域です。**


木村真三 × 青木 理:「原発事故の健康や生活への影響」2017.03.10.


放射線衛生学、獨協大学准教授:木村真三

原発事故の健康や生活への影響」

だから、除染したから大丈夫だとか、放射能が、って云うよりは、すべての里山文化を奪い去ってしまったという事が重要であって、多くの人たちが放射線量が下がったから安全だって云うのではなくて、先祖伝来の、代々繋がってきたコミュニティも分断され、肥沃な土地も無くなり、そう言ったものは一切表に出ていない。


放射能の汚染というものは、忘れた頃にやってきたり、また原発事故の恐ろしさって云うのは忘れてはいけないものなんです

今、国が言ってることっていうのは、目先の話しかしていないんですよ。山も先ほど青山さんが言ってられた除染なんかできるわけもないしって。それがどんどん蓄積して流れ出て、流出して、それがどうなって行くのかって云うことの推定もできないような中、これを一切解決もせぬ中、ただ線量が下がったから帰っても良いって云うのは、我々衛生学者として、その公害を見据えてきたこの経験は一体何なのかっていうことは、僕は逆に衛生学者に問うてるんですよね。

で、真っ向から、正面切って僕は言ってるんですよ。で、僕らが罪を作っちゃいけないんです。犠牲者を産んじゃいけないんです。犠牲者を出ないように、守るための仕事と云うのが僕らの学者の領分であって、そういうことの立ち位置を絶対見誤ってはいけない、と。そういう風に感じてますね。



(32:21)



Published on Mar 10, 2017 by 宇宙の起源:

JAM THE WORLD HP




青木:明日でちょうど6年。原発の周辺は苦しい状況が続いている。あの日を忘れ無い。原発の健康や生活の影響。
6年間の放射能汚染の変遷とか健康生活への影響。チェルノブイリ、ウクライナの研究をされてきた?


木村:愛媛県出身。1999年東海村臨海事故があった年に、科学技術庁の放射線医学総合研究所に入った。そこで事故に遭遇して、一番最初に構内の調査をしたのが私の最初の仕事だった。それから原発、原子力推進的考え方をしていた。実は僕は4つの大学、物理、化学、薬学、医学と卒業しまして、物理という所から考えた時に原子力の大切さと云うものを感じて、原子力の推進という意味で思ってたんですが、事故を目の当たりにして、お亡くなりになられた方のご遺体を引き取りに行くと云うようなこともやった経験からやっぱり事故が起きた場合の想定をする、そして事故は起きるものなんだと感じるようになって、そこからチェルノブイリに入り、今回、福島に入ると云うようなことになりました。

青木:本番前に伺ったら、チェルノブイリと福島を行ったり来たりしながら生活してるということですね。

木村:はい。

青木:つまり、世界で今の所2箇所しか無い大規模な原子力発電所の事故による現場って云うものを複眼で両方とも見てらっしゃるってことですね。

木村:そうですね、チェルノブイリはもう長くて今年で17年目に入りました。

青木:なるほど。それで今の福島の状況なんですけれども、僕が申し上げるまでもないんですけれども、ただこれだけはどうしても申し上げておかなければならないのは、福島が汚まだ染されているという話をすると、例えば出荷されている農産物とかなどチェックされているものはきちんと安全であって、いたずらに食べないとか棄損だとか云うのは絶対に良くないと。。。

木村:その通りです。

青木:ただ一方で現実としてかなり厳しいものがあると云うことでですね、ぜひ今日僕が伺いたかったことは、その福島の現状の中、木村さんが、東京新聞などで一緒に調査をされた山菜とかキノコとかですね、あるいはタケノコなんかの汚染状況ですね、これ、どういう風な状況だって考えたら良いんですか?

木村:そうですね。これ自身は一番最初に、私は色んな所で福島県内でも調査を行って参りました。一つは私が飯舘村クラスの高濃度汚染であったにも関わらず、棄民状態であった、避難指示もされないような状況にあったいわき市の志田澪地区と云う所での山菜の調査とか、あとは二本松、私は拠点を置いて二本松市の調査、あとは飯舘村。メインが飯舘村になってしまいますが、飯舘村は伊藤<信吉?>さんというおっきな友人、福島弁で「おっきな」と云うんですが、ふた回り年上の伊藤さんと一緒に、調査を一緒にやってきたんですよね。

で、その結果、見えてきたってことと云うのは、年々放射線量は、山菜に含まれる放射線量は、どんどん減ってきたんですよ。所が、2013年、2014年あたりから、横ばい状態になって、去年、今年となってくると、今年って云うか2016年になると高いものが出始めて、事故直後より高いものがではじめたんですよね。

青木:それはどうしてなんですか?

木村:それは生体濃縮と云う形で、地面を汚染したものや樹々を汚染したものが、落葉と共に地面に降り積もり、それが腐葉土となる時間がある一定時間掛かるわけですよ。それが腐葉土となった時に、セシウムが含まれた、放射線のセシウムと云うものが濃縮された状況で表面、地表面にず〜っと降り積もっているわけですね。

そこが最大の野生植物の栄養源に当たってしまうために、そこから養分と共に放射性セシウムを吸い上げて、また成長点と云うのは樹の芽なんですよ、成長点に集まって、そこに放射能が濃縮するから、

青木:そうか、山菜っていうのはタラノメにしてもコシアブラにしても、基本的に芽を食べるってことが多いわけですから、多くなっちゃうってことなんですね。

木村:そうなんですよ。特に怖いのは、コシアブラですよね。最大で私が見たのは、27万3千ベクレルと云うkg当たりの。。。

青木:僕素人で分からないんですけども、とてもじゃないけど食べられるって云う。。。

木村:もうもうもう全然。。。線量計を近づけたら、本当線量計が一気に数値が上がってくるようなそういう状況で。

青木:あの、コシアブラって、都会出身の人には分からないかも知れないけれども、てんぷらにすると本当に美味しくって、ちょっとクセがあるんだけれども、蕎麦とかお酒なんかのあてに最高なんですけど。

木村:最高ですよね。

青木:今日木村さんを呼んで、山菜の話から始めたかって云うと、僕、出身が長野県なんですよ。で、田舎出身の人は皆そうだと思うんですけれど、母親とか祖母とかあるいは祖父とかが、とにかく山菜をあるいはキノコを、あるいはタケノコなんかを採って僕らみたいな都会にいる子供に送ったりとか、あるいは親戚に送ったりするとかって云うのは、もう本当に楽しみにしてたんですよね、今でもしているんですけども、それはおそらく飯館村も、僕、飯館村も行きましたし、いわき市の志田澪地区も行きましたけれども、あの辺の人たちにしてみると、本当にこれ。

木村先生が愛媛新聞に書かれた記事でね、タケノコの話ですけれども、兎に角、家の山で採れたタケノコを全国の親戚に贈るのが何よりの楽しみで、春になると楽しみにしてくれる人たちの顔を思い浮かべながら送ると、全国からお礼の電話や便りが届いて、久しく会ってない人たちの近況を伺うことが本当に楽しみだったって云う。これは福島の二本松の人ですか?


木村:そうです。

青木:これ、まったくできなくなっているという

木村:そうなんですよ。

青木:これ本当に、僕、だから、ちょっと心が痛む気がするんですけど、コシアブラに限らずそういう状況なんですか?

木村:はい。で、タケノコは二本松辺りだったら、震災から翌年、翌翌年ぐらいには、もう基準値も下回って、別にそれほど食べてもいいよ、ってのが大半を占めるようになっていたんですよ。ところが、去年辺りからまた高いのが出始めまして、去年は栃木県の宇都宮市で5月10日の学校給食で、基準値を上回るタケノコが学校給食に出されたんですよね。

青木:宇都宮市でですか?

木村:宇都宮で。それも福島で採れたタケノコではなくて、栃木で採れたタケノコからそれが出たってのが、一時、全国ニュースの紙面を賑わしたんです。

だから放射能の汚染というものは、忘れた頃にやってきたり、また原発事故の恐ろしさって云うのは忘れてはいけないものなんですよね。しかも広範囲に降り注いだって云う事実を、やっぱり福島だけにクローズアップするんではなくて、様々な地域、残念な話、青木さんの所の長野でもやっぱり出荷制限の山菜がたくさんありますよね。
で、そういったもの、実は僕は長野も行ってるんで。

青木:ま、これはね、個人的な話、僕の母なんかが山菜を採って色んな親戚に贈るのが楽しみだったんですよ。僕の田舎なんかは検査すると大丈夫なんですけれども、母がもう贈りたがらないわけですよ。何でって訊くと、皆んな、もうニュースで知っているから、もう喜ばれないんじゃないかって思って贈らなくなっちゃうなんて人も含めて言うと、多分相当な人たちが、お年寄りがね、本当美味しいですしね、その山菜キノコを、春の恵み、秋の恵み、タケノコもそうですけれども、自分たちも食べられないし、贈りもできないしって哀しい目に遭っているんだな〜って。それを見ていると福島に限らず、栃木、長野、本当に広範囲ですよね。

木村:群馬もそうですし。

青木:これ先ほど仰った宇都宮のタケノコ、給食に出たタケノコ、基準値越えをしてしまったのは先ほど仰っられた生体濃縮ってことですか?

木村:恐らくそうです。しかもさらに調べてみると、出荷業者がもう大丈夫だろうという勝手な解釈によって、まだ出荷制限のある地域のタケノコを採取して、それを出荷してもいい地域のものに混入させて一緒に出荷してたということが実は分かってきまして。
だからやっぱり不正をしてしまうという業者の考え方も実は相まってしまってこういう不幸な結果になたということが報告されてます。

青木:どうなんですか、他の食べ物ですね、もちろん先ほど冒頭で申し上げたように、きちんとチェックをしている福島の農産物、食品も食べ物も拒否、お米も含めてですけど、全然大丈夫と云う一方で、自然の食べ物とか不正の業者がいたりとかという事があると、やっぱり汚染された食品というのが出てきちゃう可能性は十分ある。

木村:十分ありますね。で、これ残念な話、チェック機構、僕、良く、多く福島県内でお話しするのは、風評被害払拭するには測る以外無いんだ、計って数値を出すんだと。で、その結果によって安心を担保する。
安全というものが分かったら、安心が繋がりますから。

だから逆に面白い話では、伊藤さんの実験では、飯舘村の伊藤さんは塩漬けにしてるんですよ。そうすると、セシウムがどんどん抜けていくと。

青木:ハッ?それ、どういうことなんですか?

木村:とう云うのは、セシウムと云うのは、放射性セシウムと云うのは、カリウムと同じ性質を持つものなんですよね。だから、お塩の中には不純物としてカリウムも含まれているんですよ。で、ナトリウム、カリウムって云うのは、同じような性質を持っているものなんで、そこに放射性セシウムが入ると、混じってしまうと、見分けがつかないんですよ、彼らは。

だから一緒に、塩分と共にセシウムが抜けていく、お塩の方に移行してしまうと云うことで、逆に食べられるかも知れないって云うことを伝えていくことも僕らの仕事だよね〜、と伊藤さんと話していたんですよ。

青木:なるほどね。こういう分け方、ちゃんと分けなくちゃいけないと思われるのは、無駄だとか言われている所もあるんですけれども、いわゆる除染をした所がありますよね。僕も取材した所がありますけれども、いわきの志田澪地区なんて所は、本当、田んぼとか畑とか、土壌とか何十センチ単位で引っぺがして除染した。で、そんなこととてもできないような山もありますね。

木村:あります。

青木:で、この除染をした地区、場所によっても多少違うんでしょうけれども、その畑とか田んぼとか、そこで作る農産物、野菜とかって云うのは、基本的にもう大丈夫?

木村:え〜っとですね、志田澪地区はお米も、飼料米と言って牛に食べさせる餌のお米を作ってるんですよ。だからまだ人に移行する前に、まず家畜の餌を作ろうと云う飼料米を撒いているんですが、飼料米を調べると、私の非常に精度のいい検出器でも、検出されないぐらい。

青木:なるほど。

木村:とはなりますが、残念な話があって、これは除染をすれば安全なんですが、志田澪ってのは300年前に入植した人たちによって連綿とした土作りがされて今の状況になってるんですけど、その一番肥沃な部分を全部剥ぎ取って、山砂を敷き詰めて、安全だと云うことにしたんですよ。

でも、やっぱり300年かけて土を元に戻さないといけないと云う作業がこれから掛かるんで、食品ができたとしても、昔ながらの旨さ、味はどうかって言ったら、ま、それは到底、及びがつかない、及びもつかない。

青木:ものになってしまう。僕ね、3年くらい、2年前だったですかね、志田澪に取材に行ったんですね。そしたら、元々はおじいちゃん、おばあさんがいて、お父さん、お母さんがいて、一緒に暮らしていたんだけれども、やっぱり心配だって云うことで、息子さん、ま、お孫さんたちが避難して、ま、当然親御さんも避難されて、そういう生活をされていて、おじいちゃん、おばあちゃんは、ま、年齢も年齢だし、慣れない所へ行くよりはここに居るって言ってるんだけれど、何が一番切ないかって訊いたら、孫と離れていることが一つと、孫たちが遊びに来た時、これまで野菜なんて買ったことが無かった。

木村:はい。

青木:全部畑から採ってきて、孫たちに食べさせて、美味しい、美味しいって食べていたんだけれども、その孫たちが来るからと言って、町に行って野菜を買ったのが辛かったって言ってましたけれど。

木村:そうですよ。それは僕の親友でも、母親が、俺たちの前では一切言わないけれども、台所で泣いているのを見たんだよね、って。それを思い出すだけで、彼も泣くんですよ。

で、非常に辛い、今、思い出しても目頭が熱くなるだけど、そう言ったことっていうのが起きているってことが、原発事故の悲惨さっていうんですか。

だから、除染したから大丈夫だとか、放射能が、って云うよりは、すべての里山文化を奪い去ってしまったという事が重要であって、多くの人たちが放射線量が下がったから安全だって云うのではなくて、先祖伝来の、代々繋がってきたコミュニティも分断され、肥沃な土地も無くなり、そう言ったものは一切表に出ていない。

青木:もうちょっと志田澪の話思い出して、少しちょっとしんみりしちゃうんですけど、ここで一曲聴いていただいて、後半さらに木村さんにお話を伺います。
ーーーーー
青木:青木理がナヴィゲートしてますJ-Wave “JAM THE WORLD”

今夜は「放射能汚染地図の今」の著者で放射線衛生学者、そして獨協医科大学准教授の木村真三さんをスタジオにお迎えして、今の現状ですね、福島がどうなっているのか、それから事故、福島第一原発事故から6年間経つわけですけれども、その事故後の変遷、現状の健康、地元の方々の生活の状況についてお話を伺っています。木村さん、後半も宜しくお願いします。


木村:ハイ、宜しくお願いします。

青木:除染をした所でも、土を入れ替えちゃったから、何年もかけて作った土が元に戻らないと云うようなお話も伺ってきたんですけれども、その最初に伺った山菜なんて云う話は、これ山ですから、到底除染なんてできるわけないわけですけど、さっき仰ったようにここ2年くらい逆に今度山菜なんかの線量が上がってきてると云う話がありましたけれど、これ、今後、どうなるんですか?

木村:恐らく、緩やかには落ちて行くんですよ。

緩やかに落ちて行くのは、それは放射能がどんどん減衰して行く。物理現象で、落ちて行くのと同時に、ゆっくりゆっくりとは下がって行くでしょう。しかし、空間線量で云う、外の線量、放射線量よりも山菜は落ち方はなだらかではないか、と云うか、頭打ちになってしまうんではないか、、、

青木:あまり意味のある質問ではないかも知れませんけれども、その山菜とかタケノコとか、あるいはキノコとかね、僕の母なんかもそうですけれども、飯館村とか福島の人たちが本当に楽しみにしていた山菜とかキノコなんかが、ま、食べられるね、ってなるには何年ぐらい掛かりますか?

木村:あの、遠くを見ながら、飯舘なんかであれば、100年かかるのかな。

青木:100年!

木村:はい。

青木:ま、つまり、だから、今、生きてる人たちが食べられる間は

木村:無理でしょうね。

二本松とかもうちょっと線量の低い所でも、今、部分的に食べられる所は出てきたんですが、安心して何処でも、って云う風になると、やっぱり50年、60年、

青木:ぐらいは掛かるってことですか。と云うなかでですね、浪江町など4つの町と村でですね、今月末から来月にかけて、避難指示が解除されるってことですね。これには色んな考え方があると思うのですが、やっぱり戻りたいって方もいるでしょうし、しかし、一方で戻ってもコミュニティが破壊されてどうにもならないじゃないかと云う人たちもいるでしょう。

本当に色んな悩ましい所もあるし、本当に生活して大丈夫なのか、大丈夫でないのか、って云うのも、科学的な問題と価値観の問題も色々あると思うんで、非常に悩ましい問題で、一概に良いとかダメとか言えないんですけども、これ、木村さん、率直にどのように受け止めておられますか?


木村:僕は帰ることを決めた人たちも、それは良かったね、と言うし、帰ることを諦めた人にも、それはそれで良かったね、と。良かった、の部分の意味合いが変わってくるね、って言うことにしてます。どちらも否定もできない。

ただし、帰りなさい、とは私は

口が裂けても言いません。


なぜならば、やはり僕が一番怖いのは、僕は放射線衛生学と云うのは、その放射線を取って仕舞えば、衛生学の分野なんですよね。これは水俣病やそのイタイイタイ病とか、そういった公害問題の研究がその分野なんですよね。

で、その公害と云うものは10数年から20年以上経過して、もっと長いのは数十年掛かって、そこで発生する奇病と云うものが発生して、そこで原因というものが見つかった時に、原因企業というものがあって、障害が起きるってことになるわけじゃないですか。


今、国が言ってることっていうのは、目先の話しかしていないんですよ。山も先ほど青山さんが言ってられた除染なんかできるわけもないしって。それがどんどん蓄積して流れ出て、流出して、それがどうなって行くのかって云うことの推定もできないような中、これを一切解決もせぬ中、ただ線量が下がったから帰っても良いって云うのは、我々衛生学者として、その公害を見据えてきたこの経験は一体何なのかっていうことは、僕は逆に衛生学者に問うてるんですよね。

で、真っ向から、正面切って僕は言ってるんですよ。で、僕らが罪を作っちゃいけないんです。犠牲者を産んじゃいけないんです。犠牲者を出ないように、守るための仕事と云うのが僕らの学者の領分であって、そういうことの立ち位置を絶対見誤ってはいけない、と。そういう風に感じてますね。

青木:これね、避難指示が解除されるっていうことになると、色々複雑なんでしょうけれども、例えば補償の問題であるとか。だから政府の方は一刻も早くと云うことになるでしょうし、所が、まあまあ、それで良いのかって云う議論も、今、まさに木村さんが仰ったように、本当に10年後、20年後大丈夫なのか、って云うことになれば、慎重にも慎重を期してって云うことになるとなかなか難しい。

だからこれは政治と科学の分野と、僕らのジャーナリズムなんかもそうなんでしょうけど、そのあたりの折衷が非常に難しいってことですね。


木村:そうですね。ただ、英断をする必要もある。

で、出てきた犠牲者は誰が責任を持つのか?今まで水俣病にしても何にしても、問題だった責任企業が責任を持つ、国も責任を負う。でも個人の責任は負ってないんですよ。

学者だって、これは有機水銀ではないと、水俣病で言っていた学者が責任を取ってないんですよ。
だから、言いっ放しの奴らが山ほど出てるってこと自身が、やはりそれ自身がおかしいと僕は思いますね。

青木:これ、もう一点、僕個人としても興味あるし、実際どうなっているのかって凄く気になってる方がいらっしゃると思うんですけど、一種タブー視されてるテーマなんですけれども、お子さんの甲状腺がんが増えてるんじゃないかと云う指摘もあり、ただ一方でものすごく検査をしてるから、一見増えているように見えているだけで、実はそんなことないんだと

そういうことをセンセーショナルに報じたりとか、話したりするのは止めろ、とか云う人達もいたりとかするわけです。
実際に福島でお暮らしになられながら、福島の状況を見ていて、ご専門の立場からどのように見られてます?


木村:僕は多発は起きているんじゃないかと、僕自身は思ってます。

これはチェルノブイリでの経験と云うものをお持ちでない方々が、通常の甲状腺がんを見てあーである、こーであると云うお話をたくさんされてますが、じゃ〜、チェルノブイリでの甲状腺がんを見てきた人達から云うと、これ、必ずしも福島とチェルノブイリ違わないよね、って云うのが共通認識であるんですよ、やっぱり。

で、僕はもうすぐ来月になったら、ベラルーシに行かないといけないんですが、ベラルーシで甲状腺がんの研究をやってるんですが、やっぱりそういった人達の先人のノウハウ(know-how)って云うものを大切にしながら見ていくんですが、スクリーニング効果と言ってね、検査をきちんと詳しくやればやるほど出てくるんだ、だからそんなに騒ぐ必要はないんだと。

これは通常の甲状腺がんである時はそうかも知れない。

でも、要は、チェルノブイリで起きた被曝による甲状腺がんは、非常に早く進展するし、大きくなるし、癌化しても命を奪う可能性が非常に出てくるんですよ。だから、全く様相が違うことを、違う土俵のことを議論しているような感じで、そこはきちんと考えて欲しいところが専門家としての声でしょうね。

青木:もうそもそも検査自体、止めてもいいんじゃないの、って云うような方向に、どうも、進みそうな傾向が、報道なんかを見てるとあるんですけれども。

木村:福島県の小児科医会は、止めるように、縮小するようにと云う要望書を出してます。
もう、そんなものは話にならないんで、彼らはどこの視点で、福島の子供達の何を見ているのか、と云う所を僕は凄く疑問視してます。

青木:どうして止めようって言ってるんですか?地元のお医者さん達は。

木村:はい、それは利権でしょう。はい、国が政策によってどんどん進めていく、こんなこと、僕が言っていいのかどうか分からないけど、僕はひしひしと感じるのは、復興という名の下に切り捨てが始まっているような気がしてならないんですよね。

で、本来の弱者である人達、そう云った人達のフォローをせぬまま、復興という名の下に切り捨てようとしているものに、大きな勢力に乗っかかっているような人達がたくさんいるような気がするんですよね。

青木:あの、こういう言い方すると、少し冷たいって思われるかも知れないですけれど、チェルノブイリもそうなんですけれども、その東日本大震災に伴う福島第一原発の事故って云うのは、複数の原子炉が制御不能になったという意味でいうと人類史上初めての、

木村:はい、そうです。

青木:事故ですね。そういう意味でいると、冷たい言い方ってのはこういうことなんですけれども、つまり、少なくともデータをきちんと取っておこうと。その子供達にどれくらい、例えば、甲状腺がんだったら異変があるのかとか、農産物、野菜も含めてですけど、そのデータの評価を巡って色々議論するのはいいんですけど、データ自体も止めちゃおうって云うのは、人類に対する背徳というかですね、義務を果たせないんじゃないかと云う、、、

木村:と云うか、逆に、何故止めてしまえば、何が、誰が喜ぶのか、何が良いことなのかって云うことが、逆に見えてくるはずなんですよ。

だから、今、仰るように、データすら取らないと云うのが罪悪と云うのは僕も感じます。

青木:で、チェルノブイリの場合で云うと、旧ソ連。非常に官僚主義国家と云うか、閉鎖的というか、独裁的国家だったわけですけれども、翻って日本は一応民主的というかですね、情報公開、メディアの取材も自由だっていう国と、ある種両極の所で起きた事故なんですけれども、その二つの事故を実際に現場で研究されていて、どうですか、ソ連時代のチェルノブイリの事故に比べると、福島の事故って云うのはもちろん悲惨な事故だったけれども、データとか情報公開とか、あるいは避難の対応とか避難解除の対応とか、どっちの方が、、、まだ、やっぱり日本の方がましですか?

木村:日本の方がましな部分ではあるんですが、事故後の対応はチェルノブイリ、旧ソ連、旧ソヴィエト連邦の方が遥かにいいですね。

というのは、ベラルーシで、ベラルーシで僕がずっと入っているブレスト州(?)と云う地区があります。これは距離にして250km、原発から250kmから500kmの地域なんですが、未だに甲状腺検診受診率98%です。

青木:あ〜、なるほど。

木村:で、福島はもう8割切ってるんですよ。

青木:なるほど。

木村:だから、そういったような状況を考えると、もうもう全然話にならないくらい、今の態勢がベラルーシの方がいいんですよね。

青木:時間が後1分くらいしかないんですけど、木村さん、沖縄の問題も福島と似てるんじゃないかと。。。

木村:そうですね、構造的な問題としては、沖縄の基地移設の問題や米軍基地の問題、後、原発の立地問題というものに共通して、そこに関わる人達の苦悩って云うもののは同じなんじゃないかと。

で、高江の北部練習場のヘリパッドの問題なんかは、ヘリパッドができたことによって、住民の若い、小さな子供を持っている母親たちやお父さんたちが、移住を始めたんですよね。

まさに、原発事故が起きてから移住を始めたのと同じことが高江でも、沖縄でも起きてる。

だから、社会的構造欠陥と云うものが、非常に共通しているということで、沖縄を見ていくっていうことが福島を見ることに繋がるっていうことで、今も、続けてます。

青木:そういうものを、沖縄とか福島に押し付けて、我々は生きてるし、生きてきたんだな、って気もしますね。
木村さん、本当に有難うございました。時間がもっとあればよかったんですけども。


木村:とんでもございません。

青木:今夜は、放射線衛生学者で獨協医科大学准教授の木村真三さんをスタジオにお迎えして、福島の今、その他、その他、色々なお話を伺いしました。「ブレイクスルー」でした。




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テーマ:放射能汚染 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
yokoさん、
とても勉強になる情報をありがとうございます。
ゆっくり聞いて、メモをとります。

2017/03/24(金) 17:14:34 | URL | 恵 #GeuEVSMM[ 編集]
yokoさん、文字書き起こししてくださり、大感謝です。
2017/03/25(土) 09:59:55 | URL | 恵 #GeuEVSMM[ 編集]
こんにちは
書き起こしありがとうございます。

感想文いっぱい書いたのにうっかり消しちゃって(←よくやる…)、簡単にします(´;ω;`)


里山文化の現実、憤ります。

山菜、塩漬けにしたら食べられるかもしれないの?と一瞬期待しましたが、
塩抜きしたお水はどこに流れていくんでしょう。

それもいずれ海藻の生体濃縮につながる?

農場で餓死した動物たちの骨の映像を見てやりきれない思いでした。

二重住宅ローンのことも、yokoさんに伺って初めて気づきました。

帰らされても、被災された方々の心の傷も濃縮されてしまうばかりですね。
2017/03/26(日) 12:02:41 | URL | さとこ #-[ 編集]
惠さんへ:必須のお話ですね!
惠さん、こんばんは。

> yokoさん、
> とても勉強になる情報をありがとうございます。
> ゆっくり聞いて、メモをとります。

非常に内容の濃いお話です。
喜んで頂けて嬉しいです!
2017/03/26(日) 14:17:34 | URL | yokoblueplanet #-[ 編集]
惠さんへ:音声を消されると困るので。。。
惠さん、こんばんは。

> yokoさん、文字書き起こししてくださり、大感謝です。

どういたしまして!
音声を消される可能性もあるので、このお話の内容は失いたくないと思い、書き起こしました。
お役に立てて何よりです!
2017/03/26(日) 14:21:07 | URL | yokoblueplanet #-[ 編集]
さとこさんへ: 勿体無かったな〜!
さとこさん、こんばんは!

> 書き起こしありがとうございます。

どういたしまして!内容がギッシリと詰まったお話でしたね。

> 感想文いっぱい書いたのにうっかり消しちゃって(←よくやる…)、簡単にします(´;ω;`)

エ〜ッ、勿体無い!残念!次回はよろしくね!

> 里山文化の現実、憤ります。
>
> 山菜、塩漬けにしたら食べられるかもしれないの?と一瞬期待しましたが、
> 塩抜きしたお水はどこに流れていくんでしょう。
>
> それもいずれ海藻の生体濃縮につながる?

昨年秋に小出先生とお話した際に(音声、文字起こししなくちゃならないんだけど。。。)、放射能汚染の問題は、ウラニウム鉱山にしろ、原発にしろ、再処理工場にしろ、終わりが無くて、どうしても堂々巡りをしちゃうんです。
つまり、どうしようもない代物なんです。
それを知りながら、政治戦略的理由、経済的理由で「命」を疎かにしたまま拡散してきた世界中の政権|代表者たちは、悪の権化と云うしかないでしょうね。
この状況を変えられるのは、有権者一人一人なんですが、問題に関する正確な情報が必要な所へ届きにくいと云う問題が立ちはだかってます。何とかしないと、です!

> 農場で餓死した動物たちの骨の映像を見てやりきれない思いでした。
>
> 二重住宅ローンのことも、yokoさんに伺って初めて気づきました。
>
> 帰らされても、被災された方々の心の傷も濃縮されてしまうばかりですね。

ね〜、ため息が出ますよ。
ゼネコンにばらまいている復興資金をしっかり活用すれば、もっともっと建設的にできることはたくさんあるんです。
無いのは、やる気:被災者が自分の足で立てるように支援しようとする気持ち|やる気が見えないんです。
木村真三さんは、口が裂けても帰りなさい、とは言えないと話してましたね。
放射能汚染の問題は、私たちの世代で終わるものでは無くて、延々と続くわけで。。。
本当、腹が立ちます!
2017/03/26(日) 14:37:24 | URL | yokoblueplanet #-[ 編集]
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