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伊勢崎賢治:南スーダン自衛隊撤退ではっきりした日本の安保の「超重大な欠陥」 国際社会にバレたら一大事!? 2017.3.28.(現代ビジネス)
伊勢崎賢治:南スーダン自衛隊撤退ではっきりした日本の安保の「超重大な欠陥」 国際社会にバレたら一大事!? 2017.3.28.(現代ビジネス)


日本の安保の「超重大な欠陥」

▪️積み上げてきた「理屈」が崩壊した

2017年3月10日、政府は南スーダンからの自衛隊撤退を表明しました。

僕はこれまで、こういう主張をしてきました。



日本が依然として派遣の根拠にしているPKO派遣5原則(1992年制定)は、「住民保護」が主任務になった現代のPKOでは意味を失っている。

もはや停戦があるかどうかなんて関係なく、治安が悪くなればなるほど、その状況の犠牲となる住民を保護するべくPKOは撤退しなくなる。

昨年の7月の首都ジュバでの大規模な戦闘を受けて、即座に国連安保理がPKO部隊の4000名の増派を決定したことからもわかるように、自衛隊が撤退できないのは安倍政権が「駆け付け警護」をやらせるために無理強いしているからではない。単純にそれを国際世論が許さないからだ。やったら、それは「住民も守るためにもっと戦え」と迫る国際社会の正義を敵にすることになる。

だからこそ、安倍政権の安保法制を政局にするのではなく、そもそも民主党政権時に南スーダンに自衛隊を送った民進党が歩み寄り、現場に小康状態が訪れたら即座に、そして静かに、代替え案をもって撤退させよ。




そう提言し、そのために政党、そして外務防衛関係者へのロビー活動もやってきました。(参照: 「南スーダンの自衛隊を憂慮する皆様へ~誰が彼らを追い詰めたのか?」




交戦できない自衛隊は、弾がまったく飛んでこない場所でなら活動できます。そんな「仮想空間」を戦場につくり参加してきたのが、これまでの自衛隊によるPKOです。

それらは、

「後方支援」(通常の施設部隊=兵站部隊に前方も後方もありません)

「非戦闘地域」(こんなものが存在したら軍隊は基地を造る必要はありません。基地を一歩出たらそこは戦場です)

「(武力行使と一体化しない)一体化論」(国連が南スーダンのような受け入れ国と一括して結ぶ国連地位協定をベースに、自衛隊に限らず全ての多国籍の部隊は国連の指揮下に一体化します)

などです。

南スーダンでもこれは成り立ってきました。首都のジュバは、もとは「安全」でしたが、昨年7月に、その「仮想空間」と、それを基に積み上げた「9条に抵触させない」理屈の数々が崩壊し、防衛省、特に陸上自衛隊はかつてない危機感を持ったはずです。


▪️「駆け付け警護」など無意味

実際、今になって、政府は昨年9月から撤収を検討していたと明かしました。でも、そのさなかの11月に「駆け付け警護」の任務を付与したことになる。

そもそも南スーダンの自衛隊は道路や橋をつくる施設部隊ですから、国連司令部が歩兵部隊がやる能動的な警備業務を命じることはありません。当たり前です。そんな専門外の部隊を送ってそこで何か殺傷等の事件が起こったら、上記のように、南スーダン政府に対する地位協定上の責任は国連が負っているのです。

施設部隊に付随する警備小隊はある程度専門的な訓練を受けているでしょうが、歩兵部隊を使い果たした後で施設部隊に警備要請が来る状況というのは、例外中の例外。国連PKOにとって、本当に、壊滅的な状況です。全体で2万以下しかいないPKO部隊がその10倍以上の兵力の南スーダン政府軍とガチンコになり取り囲まれるような状況です。

その際には、PKO主力戦力を提供している周辺各国も当然援軍を送るでしょうから現場は混乱を極め、いくら住民保護のために撤退しなくなったPKOとはいえ、全軍撤退しなきゃならない最終非常事態です。”通常任務”として自衛隊が想定するべきシナリオではありません。

こういう非常事態では、各地に散らばっている人道援助要員を、最後の砦であるPKO基地に、歩兵部隊や国連文民警察特殊部隊(Formed Police Unitと言います)が避難させているはずで、そこに住民が最後の望みを託して大量に庇護を求めて押し寄せる。その中に、悪さする奴らが紛れていて(住民と見分けがつきません)戦闘になる。PKO基地に閉じ籠っている自衛隊は、これを想定すべきなのです。

つまり、「駆け付け警護」ではなく、「駆け付けられる警護」です。その際、もし、誤って住民を多く誤射してしまったらどうするか。これが後に展開する国際人道法違反(=戦争犯罪)であり、国連が真摯に想定してる「法的なシナリオ」なのです。日本は、これを全く考えてこなかったのです。

そもそも、自衛隊だから日本人を助けるというような同国人優先を国連は認めません。当たり前です。現場で働く人道援助要員の国籍は本当に様々です。一つのPKOの部隊は多くて20ヵ国ぐらいですから。

だいいち、世界で日本人の人道援助要員が働いているところは、自衛隊がいない国が圧倒的に多く、南スーダン国内でも自衛隊がとてもいけない危険な場所で彼らは働いているのです。首都ジュバで日本の自衛隊が日本人優先を言い出したら、それよりも圧倒的に多い自衛隊がいない状況で働く日本人が”差別”される理由をつくってしまいます。

「同じ現場にいる日本人を助けられない忸怩」というカンボジアPKO以来の感情論で始まった「駆け付け警護」ですが、もういい加減に止めましょう。

国籍で”トリアージ”するのは国連ではタブーなのです。

つまり、新たに任務付与された「駆け付け警護」は、蓋然性ゼロなのです。(詳しくはこちら 「自衛隊『駆けつけ警護』問題の真実」


記事の続きは、上の タイトルから元記事へ>>


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テーマ:軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
個人的には、自衛隊は自衛に徹するものと考えます。が、既に平和安全法制も施行されてますからね。
改めて少し確認すると、駆けつけ警護のほかに宿営地の共同防護も可能となってます。下記リンクの 4国際平和協力法の改正を参照
http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2016/html/n2321000.html
こんなのも追加されてます。
安全確保業務の追加
防護を必要とする住民、被災民等の生命、身体及び財産に対する危害の防止及び抑止その他特定の区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問及び警護

戦闘が行われていない大前提において、南スーダンでの事例に対応できるようなものが、集団的自衛権の裏側で知らぬ間に決められています。
国家間でなければ戦闘ではなく衝突だというのは詭弁だ、これは言っておきます。
ちなみに南スーダン独立前の紛争終結後にUNMISが設立され、2008年10月以降 司令部要員として自衛官2名を派遣してますので、民主党政権時にーでもないんですよ。11年の派遣は、独立に伴い国連事務総長からの協力要請があった時の政権が民主党だったという感じですかね。まっ仮に民進政権下でもよく似た答弁、対応になってたでしょうね。
PKO5原則を積極的にまとめたのは現自由党の小沢氏ですしね、
いろいろ張りぼてで複雑です。
2017/04/02(日) 15:25:44 | URL | ktpage #-[ 編集]
ktpageさんへ:情報、ありがとうございます。
ktpageさん、こんにちは。

> 個人的には、自衛隊は自衛に徹するものと考えます。が、既に平和安全法制も施行されてますからね。
> 改めて少し確認すると、駆けつけ警護のほかに宿営地の共同防護も可能となってます。下記リンクの 4国際平和協力法の改正を参照
> http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2016/html/n2321000.html
> こんなのも追加されてます。
> 安全確保業務の追加
> 防護を必要とする住民、被災民等の生命、身体及び財産に対する危害の防止及び抑止その他特定の区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問及び警護
>
> 戦闘が行われていない大前提において、南スーダンでの事例に対応できるようなものが、集団的自衛権の裏側で知らぬ間に決められています。
> 国家間でなければ戦闘ではなく衝突だというのは詭弁だ、これは言っておきます。

「戦闘が行われていない大前提」「国家間でなければ戦闘ではなく衝突」、これ、どちらも成立しませんよね。
何だか、昔の映画、”Der Kongreß tanzt”「会議は踊る」を想起させる状況です。

> ちなみに南スーダン独立前の紛争終結後にUNMISが設立され、2008年10月以降 司令部要員として自衛官2名を派遣してますので、民主党政権時にーでもないんですよ。11年の派遣は、独立に伴い国連事務総長からの協力要請があった時の政権が民主党だったという感じですかね。まっ仮に民進政権下でもよく似た答弁、対応になってたでしょうね。
> PKO5原則を積極的にまとめたのは現自由党の小沢氏ですしね、
> いろいろ張りぼてで複雑です。

当時の民主党政権がもう少ししっかりしていれば、と思いますが、まだ遅くは無い(?)のでやり返しの可能な間に、原点に立ち戻って日本の未来を考えて欲しいところです。
2017/04/03(月) 09:31:25 | URL | yokoblueplanet #-[ 編集]
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