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室井佑月が山本太郎に迫る!(前編) (後編) 室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」 1) アッキード事件の闇、安倍首相の素顔、そして原発とマスコミ… 2017.4.11. (LITERA)
室井佑月の連載対談 第4回(前編)「アベを倒したい!」ー山本太郎: アッキード事件の闇、安倍首相の素顔、そして原発とマスコミ… 2017.4.11. (LITERA)


国の「借金がヤバい」、という擦り込み

増税を進めたい財務省の煽りとマスコミのお手伝いが功を奏しています。しかも、借金している先は、国内。日本には、ギリシャと違って中央銀行もある訳ですから、おカネをつくって借金をなくすこともできます。ギリシャのようにはなりようがない。


年間20ミリシーベルト以下で帰還、は犯罪

年間5ミリで放射線管理区域

事故を起こしておきながら、それでも帰れ、住め、って国、世界では日本が初めてです。新しいチャレンジだ、って官僚も平気で言いますから。「国民の生命財産を守る」と言うなら、予防原則に立つのが、常識です。
再稼動や、原発輸出を止めるのは、いまの国会のパワーバランスでは、難しい。野党が弱すぎる。安倍政権の思いのまま、つまりはその支援者である、大企業の金儲けが優先されます。

加害者は、東電と国です。勝手に線引きして、「いつまで甘えるつもりだ」と言う態度が、加害者に許されるなら、無政府状態です。


 室井佑月の好評連載対談「アベを倒したい」。第4回は森友問題のさなか、室井が勝手に愛情を込めて“太郎ちゃん”と呼んでいる自由党共同代表の山本太郎参議院議員を招き、安倍独裁政治とどう闘っていくかを徹底的に語り合ってもらうことにした。

 山本議員といえば、国会で舌鋒鋭く安倍首相に迫るシーンや一人牛歩などのパフォーマンスが話題になっているが、今回の対談では、安倍政治の手法に対する客観的な分析やこれから野党が取り組んでいくべき政治課題などについても、冷静かつ真摯に語ってくれた。

 とはいえ、室井と山本の二人が森友問題のさなかに対談をしてただですむはずもない。前編は、森友問題への室井の怒りが炸裂、一方、山本の口からは「アッキード事件」以外に使いたかった強烈な言葉の存在も明かされた。ユーモアをまじえながらも、本質を突く2人の議論をぜひ堪能していただきたい。


●週刊誌に「原発デマゴーグの戦犯」に仕立てられた二人の反撃とは?

室井 山本さん、わたし「週刊朝日」(朝日新聞出版社)の連載で山本さんのことを“太郎ちゃん”って書いてるの。だから、今日は太郎ちゃんって呼ぶね。お会いするの、何年ぶりですかね? まだ俳優をやっていたときに、太郎ちゃんが司会の安いワイドショーみたいな番組に呼んでいただいて。

山本 その節は、安いワイドショーみたいな番組でお世話になりました(苦笑)。当時の室井さんの印象は、とっつきにくそうなイメージでした。けど、東日本大震災、そして福島原発の事故があり、危機的な状況が露わになるなかで、自身の考えをはっきり発言され、表現されている。安保法制の時の発言も注目していました。本当に勇気がある方だと。何となくの印象でその人のキャラクターを決めつけてた自分を反省しました。

室井 芸能界から政治的な声をあげることは大切だと思っていて、だから太郎ちゃんを応援していますし、石田純一さんが都知事選の出馬意向を示したときも、すごく感動したんです。勇気がある人だなと。でも、ワイドショーや世間は完全にイロモノとか、バカ扱いして。嘲笑することで選挙の論点をずらして、そのスケープゴードにさせられた。かわいそうでした。だから自分でできることをしようと思っていて。




山本 僕のときもそうでしたが、石田さんのような行動は、仕事へ直接影響しますからね。テレビ局は面白いくらい使い控えする。特に、TV局内で、CMなどの広告枠を企業に買ってもらう営業からの反対が強い、ってTVプロデューサーから聞きました。いろんな方向からの文句や嫌がらせもあるでしょう。だから室井さんにも心から、あの世界で生き残ってほしいと思います。

室井 でも講演会も相当回数が減りました。ワイドショーで発言すると、「あのホステス上がりめ!」とか、「あのアホを降ろせ」とか言われたりもする。でも一定数いるコアな味方の人たちが必ず応援してくれる。だから頑張って安倍さんの応援団のようなコメンテーターとも闘ってきました。青山繁晴さんとか(笑)。

山本 僕も彼にはびっくりしたことがあります。同じ調査会(資源エネルギー調査会)の原子力に関する質疑で青山さんが、原発事故の影響はほとんどない」「汚染水も問題ない」と。国会議員でそこまでの神話を全力で語る人に初めてお会いしたので、逆に感動しましたもん。

室井 えー、冗談でも「感動」なんて言わないでくださいよ。そういえば、ある週刊誌から原発事故後も続くデマゴーグ」というテーマで、福島の健康被害は放射線とは直接関係ないし、わたしの原発に関する発言が“避難者へのイジメ”を誘発している。そのことをどう思うかなんていう質問状が送られてきたんです。もう頭にきちゃって。

山本 奇遇ですね(笑)。同じ取材、うちの事務所にFAXで来ました。僕の発言が福島の人々や避難者に迷惑をかけていることについてどう思うかとだからキッチリ事実関係を踏まえて返信しました。最後に、「国が言う“問題ない・安全”こそが最大のデマであり根拠がない、イジメと風評被害の原因を作り出したのは国だ」と。特集を組むのは勝手ですが、コメントを出しても勝手に短く編集するだろうし、結局、政府の考え方を繰り返す御用専門家の言い分ばかりが意図的に垂れ流されてしまう。

室井 奇遇(笑)。わたしもほぼ同じ回答をしました。そもそも“デマゴーグ”という前提からして“デマ”でしょ。イジメの原因は、事故が収束もしていないのに、“風評被害”と矮小化したり、甲状腺がんを「放射能とは関係ない」と言い張って現状をきちんと伝えない国と政府にあると返信しました。その上で「もしやるなら全文載せろ」と頑張りました。

山本 追い込みましたね、ずいぶん。

室井 いちいち喧嘩しないとダメですよ。でも、こんな取材に対応して1日が終わっちゃった。相手にしても一銭にもならないけど、頑張るしかない。結局、2人からしか返信がこなくて、特集じたいなくなったと聞きました。

山本 ということは返信したのは僕と室井さんだけだったのか(笑)。でも全員がスルーしていたら、“原発デマゴーグ”の記事は作られていたと思います。だから僕たちが返信したことは無駄ではなかったんですね。


●森友問題の本質、山本が「アッキード事件」以外に使いたかった言葉とは?

室井 でも本当に、世の中は変わりました。わたし、第一次安倍政権のとき、「自衛隊の派遣」を「派兵」と言ってしまったことがあって、すごい怒られたんです。でも今は、逆に安倍さん自身が「我が軍」とか言ってもスルーされるし、普通のことになってる。すごい世の中にわたしたちはいる。

山本 安倍さんが昨年5月の衆議院予算委員会で「議会については、私は立法府の長であります」なんて言っても、問題にならないという世の中なんです。総理は本気で思い込んでるんでしょうね、“立法府の長”発言は過去に3回も言っていますから。室井さん、怒られ損ですね。ほんの10年前ですか。

室井 「力のあるものに逆らうな」という空気感は、社会の格差が激しくなって、人々に余裕がないから蔓延するんでしょうね。この連載のタイトルは「アベを倒したい」ですが、次の衆議院選挙が、今年か来年かわかりませんが、本当に野党は頑張れるんですか? 民進党は本当に勝とうと思ってるのかな。太郎ちゃんには自由党共同代表として、ぜひ、頑張ってもらって政権を取ってほしい。どこかの党から議員を勧誘して、盗んできたほうが手っ取り早いんじゃない?

山本 そんな(苦笑)。みんな、ビビりますよ。所属する党の支援なしでは選挙に勝てない、と言う人がホトンド。その中で、党を離れて僕と組むなんて、かなり勇気いると思います。この前も飲みの席でおじさん議員に、「お前! みんなお前のことイロモノだって言ってるぞ」って言われて、「ほんとそうですよね」って答えておきました(笑)。

室井 イロモノって言うけどさ、他が白黒で、太郎ちゃんだけカラーなだけですよ。太郎ちゃんをすごいと思ったのは、いつだったか街頭演説をしているのを見たことがあるんです。そのとき変な男にヤジられて太郎ちゃんが「そんなあなたのことも守りたい!」って言った。変なおっさんに絡まれて、咄嗟にそんな言葉が出る。

山本 これまでずっと、変わった方々に絡まれ続けてますから(笑)。慣れているんじゃないですか。

室井 でも、日本は本当にやばい。共謀罪が閣議決定されたし、自民党は今国会で共謀罪を成立させるつもりなんでしょ? 共謀罪で徹底的に攻めてください! これで倒せそうですか?

山本 残念ながら共謀罪では倒せないです。共謀罪成立を止めることすら難しいのが国会のパワーバランスの現状ですから。共謀罪に関してはまだ国民の興味や反応が弱いですね。「テロに関係する」と言うハッタリで思考停止したのも大きいですし、「過去に3回、廃案になっているんですよ」というところから説明するには、時間が掛かる。長い説明はみんな聞きたくない。工夫が必要と考えてます。街頭などの国会外でも説明して、なんとなく広がったかな、と思ったときには、もう法案が通っているというのが今までのパターン、安倍一強の現実です。その一方で、森友問題のように、「国民の財産を、タダ同然でオトモダチにくれてやる」というわかりやすい構図の事件お金に関する事の方が人々は関心を持つし、すぐにイラッと反応する人が多い様に感じます。

。。。

山本 もちろん、取り込まれてはいませんよ。政策や国会ではきちんと議論します。安倍首相には、どう見られるかを客観的にコーチする人も、ついていると思いますね。一応、メッソッドみたいなのがある様に感じます。原稿にもこのタイミングで「水を飲む」とか書かれていましたもんね。自信を持って、意味の無い事を延々と喋る天才だし、質問時間が短いこちらとしては、変わりにAIが答弁してくれてもいいレベルですけど。

室井 手の動かし方ひとつをとっても、振り付けみたいな感じですよね。「ここで一呼吸」とか、「力強く」とか、「間をとる」とか。気になるのは、安倍さんって、自分が“全能”という意識があるんじゃない? 本来、一国の首相が国会でキレたりするのはみっともないことなのに、でも安倍さん自身は「言ってやったぞ!」くらい思っていそう。

山本 言い方が上手いんです。たとえば、森友問題でうちの党の森裕子さんが質問した際、総理の答弁の第一声が、「印象操作ですね、完全に失敗していますよ」と、余計な一言から始まったんです。メディアにとっては切り取りやすい部分ですし、報じやすい。そうやって、言葉尻で自分の体勢を立て直すのが上手いんです。印象操作の才能が抜きん出ている。幼稚ですが、戦い方は上手いです。

室井 あと、嘘を言っても嘘だと認めないのも大きな特徴ですよ。自分の頭のなかでは嘘が真実になっちゃっていると思う。だから嘘をついてすぐ暴かれても、認めないし恥ずかしくない。そもそも、“恥ずかしい”という感情って、勝った、負けた、嬉しい、楽しいとかより、一歩深いところにある。安倍さんはその深い感情がないのかなと思います。

山本 あはは(笑)。そんなズバリ指摘したら、心の狭い権力者から制裁受けますよ(笑)。
(後編に続く)

※この対談は3月に収録されたものです。


全文詳細は上の タイトルから元記事へ>>




2)室井佑月が「太郎ちゃん、安倍さんを倒して」と陳情! 山本太郎が本気で語った安倍政治を乗り越える政策論とは? 2017.4.21. (後編)


山本太郎が本気で語った安倍政治を

乗り越える政策論とは?

 山本太郎議員をゲストに招いてお届けしている室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」。前編では、森友問題に対する室井の怒りが炸裂、ヒートアップしたが、後編では一転、山本太郎議員が安倍政権に「正攻法で対峙したい」と経済政策を語り始める。この意外な展開に、「なんか燃えない」と不満を漏らす室井。しかし、そのベースにある国民の生活への真摯な思いを聞いて、再び議論は白熱。安倍政権の弱者切り捨て政策や原発政策、対米追従姿勢に話が発展していく。
 メディアで報じられているトリックスター的な印象とはまったく違う、2人の本気の思いを対談を通じてぜひ感じ取ってもらいたい。(編集部)


……………………………………………………………………………
▪️山本太郎が正攻法で闘う宣言、国民生活を守る経済政策を主張

室井 さっき(前編)は安倍さんがいかに狡猾で強いかという話になっちゃったけど、そういう意味でも、森友学園問題って安倍さんを倒す千載一遇のチャンスじゃないかと思うんです。これだけでたらめな政治の私物化の材料が次々出てきて……。これで倒せないようなら、野党を嫌いになるかもしれない。

山本 たしかに、森友問題はまだまだ疑惑が解明されていませんから、これからの追及では、政権に決定打を浴びせることができる展開もありえます。他にも、さっき言った加計学園問題など、安倍政権は身内に利権をばらまく体質がある。それは継続して追及していかなくちゃいけないと思っています。ただ、僕はそういうスキャンダル追及とは別に、安倍政権とは正攻法できちんと政策を批判したいという思いもあるんですよ。

室井 太郎ちゃんから「正攻法」という言葉を聞くのは意外だけど、具体的にはどういうものなんですか?

山本 生活に密着した問題をきちんと訴えていくということです。先ほどもお話しましたが、共謀罪や原発、TPP、憲法改正、安保……そんなことを言われても、国民の皆さんには遠い問題に感じて伝わりにくい。しかも、うちは小さいグループですから、質問時間もかなり短く、くわしく説明できる時間がない。ですから僕らがするべきことは身近なことをどれだけわかりやすく、この国に生きる人々に簡素に伝えることができるか、です。いちばん距離が近く感じられる問題は、生活に関係することだと思います。
 たとえばアベノミクスの「第一の矢、第二の矢」がありましたよね。第一の矢は金融緩和、そして第二の矢は財政出動ですが、安倍政権では本当に必要な部分に第二の矢がしっかりと実行されていません。金を刷りまくったのなら(実際には口座の数字を増やすだけですが)、その金を使って、保育や教育、福祉など今までコストとみなして切り捨てられていた部分にどんどん充てていかないといけなかった。逆にいえば、そういう部分がいちばん伸びしろがある分野ですから、成長産業になりえる、って話なんです。国の本気が見えれば企業の内部留保も設備投資などで使われると思います。これは我々が強く訴えるべきです。


▪️室井が山本の持論展開に「それ、燃えない」とクレーム

室井 え〜、でも、それって、アベノミクスの国の借金をどんどん増やした部分は認めるということじゃないの?

山本 1000兆円を超える借金に加えて、また借金か!と、ツッコみたい方もいらっしゃるでしょう。そういった「借金がヤバい」、という擦り込みは、増税を進めたい財務省の煽りとマスコミのお手伝いが功を奏しています。国が持つ借金を、人間の人生の80年くらいに当てはめて、とにかく早く返さなきゃと誘導されています。国は何百年、何千年も続く訳ですから、返済に関して、長いスパンで健全化を達成すればいい。しかも、借金している先は、国内。日本には、ギリシャと違って中央銀行もある訳ですから、おカネをつくって借金をなくすこともできます。ギリシャのようにはなりようがない。
 もちろん、「無限に」ではありません。でも、いまは、景気をよくするために、大胆にやるべきです。
 安倍首相のやろうとしていたことは、本来、リベラル派がやらなければならなかったこと。それを極右に先を越された。無からおカネを大胆につくって大胆な財政出動をセットにして、きちんと国民が生きることができるインフラを整える。それこそが景気を回復させ、雇用の拡大に繋がります。そのためには、従来の公共事業とは違うかたちで、大胆にやる決意と行動を解りやすく世界に示すことが重要だと思います。

室井 たしかに、経済政策でリベラルは安倍政権にお株をとられちゃったという話はよく聞きますよね。本当は、リベラルが財政出動を肯定して、それを社会福祉や富の再配分に使うことを主張しなくてはいけないのに、民進党は財務省のいいなりで増税と緊縮政策に走って、国民にそっぽを向かれてしまった、と。

山本 そうなんです。ですから、これからのリベラルの合い言葉は、「反緊縮」。金融緩和と財政出動をセットで、大胆に、本当に意味のある公的事業に使うことを主張していかなきゃいけない。
 安倍政権は大企業優遇や箱モノの建設など従来型を継承しています。例えば、リニアに3兆円とか。そこから豊かになるのは、一部の人々です。もっと大胆に、人々の生活に密着した問題に光を当てる必要があると思います。

室井 わかるけど、でもそういう話って、なんか燃えないんだよなあ(笑)。

山本 私の説明が下手なうえに、長過ぎたからですね(笑)。こういうことをもっとわかりやすく短く、リアルに話せるようになりたいんですよね。例えばいま、社会問題になっている奨学金。これはリニアと同じ財政投融資から6兆円引っ張ってきているんです。
 財政投融資の原資は国債ですから、国が銀行から借りているんです。その6兆円を、日本学生支援機構が、多くは有利子で学生に貸し出す。学生から利息を取って、利息を財投に戻す。事実上、金融機関などへの返済を学生にさせることになる。元々、奨学金の原資、金を引っぱってくるところが間違っている、って話しなんです。学生が返済に苦しむ一方で、利息や延滞金で金儲けをしている人がいる。そうした説明をもっと簡単に伝えることができたらいいと思っています。
 加えて、私が総理なら、学生支援機構の6兆円を日本銀行に買い取らせて、チャラにします。
 対象者は20代前半から後期高齢者までの約270万人。もちろん学生だけでなく、保育所も、医療も、介護も、自己負担が多すぎる部分への施策が、少子化対策にも、個人消費の押し上げにも、雇用の増加にも繋がります。それくらい大胆なことをやらないと、国の将来はありません。

室井 いや、だからわかるんだけど、燃えないんだって(笑)。いくらリアルに話しても、地味だからねえ。いまの太郎ちゃんの話聞いて、国民が食いつくのかなあ。“魅せる”って難しい。

山本 ご清聴ありがとうございました。説明も長くなりますし。いまの説明に加えてあと5分欲しいところです(笑)。でも、与えられた時間でコツコツ主張していくしかない。僕はこの道に進んで4年目ですが、世の中は変わっていない。自分の変えたい部分も変えられていない。国会議員は約700人。僕はそのうちのひとりです。そう簡単にいかないのは当然ですけど、続ける以外に、方法はないと思っています。ちょっとずつ交渉しながら、一歩でも数ミリでも進めていくしかないんです。そのためには、みんなの生活が豊かになるような政策を提示しないと、支持は得られない。支持を得られなければ、実現もできない。


▪️住民同士を対立させる安倍政権の原発被災者切り捨て政策

室井 でも、私としてはやっぱり、太郎ちゃんの原発や憲法への思いも聞きたいんですよ。

山本 その思いは変わっていないですよ。原発事故が起こった頃は民主党政権でしたが、政治全体への不信感が募り、我慢できなくなったところが僕の出発点です。事故から6年が経ち、議員生活も3年は過ぎました。でも議員になったからといって何か物事が動いたかといえば、何も動かせていないのが現実です。いまも原子力非常事態宣言のまっただ中ですしね。何も終わっていないし、終わり方もわからない状況のなかで、いちばん隠されている部分である“事故の影響”が、必ず何かのかたちで現れているはずなんです。そのひとつが、福島の子どもの甲状腺がんの多発です。

室井 がんやその疑いのある人数が185人になりましたね。

山本 本来、100万人に1人の割合だと言われていたのに、この数はおかしい。福島県の検討委員会は一貫して「被曝の影響は考えにくい」としていますが、これが原発の影響じゃなかったら、じゃあ福島特有の風土病なんですか、と。そこを解明するためには同様の調査を西日本でもする必要があります。何度も総理にも求めていますが、逃げの一手です。それを明らかにすると原発自体も進められなくなる。最大の急所なんです。それと平行して、住民たちは選択することも許されていない。選択する権利とその補償が与えられていない。一方的に「安全です」、これで終わり。故郷に残った、戻った人にも、一生涯の医療支援、保養など補償が必要です。移住する人にも医療支援や住居の支援は当然なされるべきなんです。加害者は、東電と国です。勝手に線引きして、「いつまで甘えるつもりだ」と言う態度が、加害者に許されるなら、無政府状態です。

室井 今春には避難区域も解除されて、自主避難の人への支援もどんどんなくなっていく。しかも避難区域には放射線量がすごく高いところもあるのに、そこに住民を強引に帰還させようとしているわけでしょ。しかも子どもも当然含まれるんですよ原発事故直後に「子どもたちがいるから“安全”」なんて言ってた人がいたけど、今度もまた子どもたちが安全神話に使われる

山本 年間20ミリシーベルト以下で帰還、は犯罪です。年間5ミリで放射線管理区域ですから。
 しかも帰還の要件は、空間線量。空間線量で問題なくても、土壌汚染を測ると放射線管理区域ってざらにありますから。事故を起こしておきながら、それでも帰れ、住め、って国、世界では日本が初めてです。新しいチャレンジだ、って官僚も平気で言いますから。「国民の生命財産を守る」と言うなら、予防原則に立つのが、常識です。少なくとも、事故前の基準を緩和するなら、年間20ミリ以下でも安全と言う科学的根拠が必要です。本当に重大な問題です。安倍政権は“すべてをゼロ”にしようとしている。将来を諦めているからこそ、いまのうちに全部やっちまえ、というスタンスになるんでしょう。専門家でさえ、近い将来、大地震が必ずくると宣言しています。そのなかで、原発の再稼動は、一か八かでしかありません。事故っても、次はもっと上手く隠せる自信があるんでしょう。すでに基準も日本オリジナルですし。再稼動や、原発輸出を止めるのは、いまの国会のパワーバランスでは、難しい。野党が弱すぎる。安倍政権の思いのまま、つまりはその支援者である、大企業の金儲けが優先されます。

室井 安倍政権による“新しい安全神話”ですね。

山本 間違いないです。数日前も、僕のところにいわき市と中通りからお母さんたちが来ていました。事故後、避難されなかった方々です。そうしたなかで自分たちで計測し、汚染地図をつくって行政と交渉しながら、除染する地域を拡げるよう活動されています。お母さんたちの心配は、今年の春で除染がほぼ終わること。今後は、自治体がガラスバッジ(個人線量計)の情報を集約して、その結果から高い汚染がありそうだ、となれば除染する“フォローアップ除染”に移行する。
 ではガラスバッジの情報を集約する期間、その間隔は? と聞いても、それぞれに任せている、と。結局、そんなマメな作業を自治体がコンスタントに出来るはずがない。やる自治体、やらない自治体で当然、格差が生まれます。
 国は、何かあっても自治体の怠慢だった、と逃げられる、「丸投げ方式」を採用した訳です。
 もともと追加被曝は年間1ミリシーベルト以下に抑えないといけないものなのに、福島では年間20ミリシーベルト以下「安全」なんてほとんど根拠がない話で、もはや洗脳ですね。いちばん、科学的でないアプローチを続けているのが、国です。


▪️安倍首相は「植民地政府の代表」にすぎない

室井 それで住民同士を対立、喧嘩させるんですよね。「子どもたちの健康を考えたい」という人と、「安全だ」と信じる人を対立させるんです。「風評被害だ」と言って消費者と生産者を喧嘩させるような構図と同じ。でもすべては国がつくり出した対立じゃないですか。そういう一連の構図を、新聞やテレビはほとんど報じない。

山本 生活保護バッシングも同じですね。生活保護受給者をバッシングしているのは、本当は生活保護の受給資格があるくらいの収入層が多いと聞きます。俺はギリギリで頑張っているのに、なんだあいつら甘えやがって、って話ですかね。生活保護を受けるべき人がどれくらい受けているかを見るのが、「補足率」ですが、2割から3割程度しか受けていない。政治家であるなら、建前でも補捉率は100%を目指す、と言わなければならない。たった1つのセーフティーネットですから、当然です。ようは、社会保障費の削減を、対立構造をつくって、達成しようとする非人道的なやり方が行なわれているんです。選挙のマニュフェストに書き込むくらいの連中ですから。不正受給を無くして、生保をもっとスリムにするという趣旨を。

室井 実際は日本の生活保護の不正受給って、すごく少ないんでしょ。完全にスケープゴートだよね。

山本 ご存知の通り、生活保護の不正受給は1.8%。もちろん、不正は正されるべきですが、98%は適正に受給されています。身近なターゲットをつくって、弱い立場同士、叩かせる。権力者は上手にコントロールしますね。実際に叩かれなければならない存在から目をそらせるために。そうすることによって、大企業が儲けた分に見合った、充分な税金を払わないで済むシステムがドンドン大企業側に有利に改良されることには目が向かなくなる。第二次安倍政権、最初のお仕事が生活保護費の引き下げです。

室井 でも金持ち優遇は全然問題にならない。それどころか選挙でもアベノミクスを連呼しているし。確かに安倍さんはキャッチーな言葉を流すのが上手いんですが、マスコミも尻馬に乗って、その宣伝を盛んにするのって、間違ってますよ。

山本 昨年の夏の選挙のとき、安倍さんが地方凱旋している様子をテレビで見たんですが、「アベノミクスというエンジンをくるくるくるくる回して、アクセルを吹かして!」みたいなことを言っていて。いやいや、何も言ってないやん! と思わずテレビにツッコんでしまいました。でも、雰囲気は伝わるし、キャッチフレーズや、印象だけの演説って反論するのに時間がかかる。1つひとつ嘘をめくる必要がありますから。ツッコミどころしかないので、絞るのが大変です。これで政権とってるって、すごい話ですよね。考えてみたら、安倍首相は植民地政府の代表ですからね。

室井 2015年の安保法のときの太郎ちゃん、すごかったですよね。「第3次アーミテージレポート」を突きつけて。

山本 アメリカの言いなりじゃないかよって話です。

室井 でも、テレビは日本がアメリカの奴隷状態になっているというような本質的なことを一切言わない。この前、トランプさんの娘のイヴァンカさんがトランプさんに、「安倍はすごい賢いから、信用しなよと言った」という報道がありましたよね。あれって、海外の記事には、「クレーバーボーイ」って書いてあったの。要は、犬や子どもに対する言い方でしょ。

山本 「グッドボーイ」のいち段階上のレベルですよね。「パパ、あいつ、使えるよ! あいつだったら何でも言うこと聞くよ」というニュアンスなのに。

室井 でも日本のワイドショーは一斉に、「イヴァンカさんが後押しした!」と報じていました。

山本 いままでもそうですが、アメリカ側に都合のいい法改正の数々を見ていると、「全部さしあげます」という気概を感じますね。米国にとって、植民地として唯一成功した国なんだなあ、日本は、と実感しますね。

▪️政界と芸能界、どっちが怖い? の質問に、山本太郎は…

室井 最後に、すごくくだらない質問だけど、芸能界と政治の世界、どっちが怖い世界だと思ってます?

山本 僕は、ハラスメントの頂点は芸能界だと思っていましたが……。でも、ここ(政界)が総本山でした。社会問題のすべてが、政界に凝縮しているという印象さえある。政治に進んでからは、あの芸能界からも避けられてる感じですからね。昔、ドラマで共演したメンバーが毎年、忘年会をやるんですけど、あるときから呼ばれない。去年は情報聞きつけて「うぇーい」って、いきなり行ったらビックリしてましたけど(笑)。一緒に飲んでる写真がネットに出た時点で、マズいレベルなんでしょうね。直接企業名を上げて国会でモノ言ってますから、当然でしょうけど。
 室井さんは、本当に勇気がありますよね。

室井 テレビに都合よく使われているんだと思います。安倍さんが創りだした“反論や疑問が言えない空気感”に対し、息抜きというか アリバイづくりのように使われているのかなとも思うこともあります。みんな守りに入って、自分のことで必死だけど、わたしが守るのは息子のことだけだから。

山本 なるほど。マスコミは決定的なダメージを安倍政権に与えるわけにいかないと自粛し忖度していますからね。でも、マスコミの意向がどうであれ、室井さんはそんな思惑を跳ね除けるくらいの爆弾を落とし続けているじゃないですか。

室井 この連載でも、何度も言ってますが、本当はもう、こんな闘いやめたいんですよ。

山本 じゃあ、うちから選挙に出ませんか?(笑)

室井 それじゃ、真逆ですやん。ずいぶん前に、同じようなことをあなたのところの、親分にも言われました。でも、あたしはそういう女じゃないし、そんなことよりガールフレンドの一人にしてくれと言い返しました。豪快に笑われちゃいましたけど(笑)。

※この対談は3月に収録されたものです。


全文詳細は上の タイトルから元記事へ>>


山本太郎 政治家、俳優。1974年兵庫県生まれ。高校1年で芸能界入りし、以降、人気俳優として数々の映画、ドラマで活躍。 2011年3月の東日本大震災、福島第一原発事故を契機に、反原発活動を開始。2013年7月の参議院議員選挙に東京選挙区から出馬し当選。以降、原発問題、被曝問題、子どもと放射能、TPP問題、労働問題、社会保障制度改革、表現の自由に関わる問題等に特に深く関わり活動中。現在、自由党共同代表。

室井佑月 作家、1970年生まれ。レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビューし、その後テレビコメンテーターとしても活躍。現在『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『あさイチ』(NHK)などに出演中。

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テーマ:衆議院解散・総選挙 - ジャンル:政治・経済

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