Yoko's 人生=旅 on this Blue Planet
高速回転中の青い惑星地球、負けじと走り回る一人の記録。
月9『民衆の敵』で篠原涼子が政治参加を呼びかけた演説が素晴らしい! でも、フジ上層部の圧力で放送延期に 2017.10.30. (LITE-RA)
月9『民衆の敵』で篠原涼子が政治参加を呼びかけた演説が素晴らしい! でも、フジ上層部の圧力で放送延期に 2017.10.30. (LITE-RA)


時給950円のしあわせなんだって。うちの息子、卵焼きをステーキだと思って食べてるんです。

だって、それって、本当にしあわせ

なんですか? 

「わたしは、高校中退です。父親はギャンブル狂いで、母親は男にだらしないホステス。生まれるべくして生まれた、高校中退です。だから、17のときから、必死でがんばって働いてきました。もちろんグレそうになったときもありましたけど、それでも、しあわせになりたい、って。

 で、結婚して、子どもも生まれて、やっとしあわせになれました。時給950円のしあわせなんだって。うちの息子、卵焼きをステーキだと思って食べてるんです。

 上を見ちゃダメ、下を見てればしあわせなんだって、ずっとそう思って生きてきました。でも、もうヤだ! 

 だって、それって、本当にしあわせなんですか? ずっと、ずうっと、ふざけんな!って思ってたんです。

 だって、おかしくないですか? 生まれた時点で自分の人生決まっちゃうなんて、おかしくないですか? 時給950円の生活も知らない奴らが、市民のしあわせ、語るな! 自己責任? ワケわかんない! 卵焼きはどうがんばったってステーキじゃないんだよ。

 本物のステーキが食べたい!!! 誰にだって、ステーキ食べられる権利、ありますよね? あるでしょう、あるんです!

 だから、しあわせなフリは止めて、本当の、本当に、しあわせになりましょうよ!


 総選挙の投開票翌日10月23日にスタートした、フジテレビの月9ドラマ『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』篠原涼子演じる40歳の子持ち主婦・佐藤智子がお金欲しさに市議会議員に立候補するという、政治を題材にしたドラマなのだが、前評判は「いかにもフジ的な荒唐無稽ストーリー、安易すぎる」「政治ネタなんて誰もドラマで見たがらない、大コケ必至」と散々だった。

 でも、23日に放送された第1話を見てみると、これが予想外におもしろかったのである。たしかに、ストーリーは荒唐無稽ではあるのだが、ディテールがリアリティを感じさせるし、何より現在の日本社会が抱える問題点や、政治と市民の意識の乖離など、本質を突くような描写がいくつも盛り込まれていたのだ。




 とくに素晴らしかったのが、篠原涼子の演説だ。同時に仕事をクビになった夫と2人きりで、手探りで選挙活動を始めた篠原。当然選挙カーもなくトラメガひとつで「安心して子育てできる街の……」などとテンプレの話をしていたのだが、そこに大きな選挙カーで、高橋一生演じるライバル候補・藤堂誠が元総理とともにやってくる。祖父は大臣、父も兄も国会議員で、大学院で政治を学び、コロンビア大学にも留学という華々しい経歴の高橋一生を、元総理は「生まれながらの政治家」「政治家に生まれるべくして生まれたのが、この藤堂誠くん」と応援演説する。

 それを聴いていた篠原は、テンプレのメモを捨て、地べたからトラメガでこんな演説をぶつのだ。

「わたしは、高校中退です。父親はギャンブル狂いで、母親は男にだらしないホステス。生まれるべくして生まれた、高校中退です。だから、17のときから、必死でがんばって働いてきました。もちろんグレそうになったときもありましたけど、それでも、しあわせになりたい、って。

 で、結婚して、子どもも生まれて、やっとしあわせになれました。時給950円のしあわせなんだって。うちの息子、卵焼きをステーキだと思って食べてるんです。

 上を見ちゃダメ、下を見てればしあわせなんだって、ずっとそう思って生きてきました。でも、もうヤだ! 

 だって、それって、本当にしあわせなんですか? ずっと、ずうっと、ふざけんな!って思ってたんです。

 だって、おかしくないですか? 生まれた時点で自分の人生決まっちゃうなんて、おかしくないですか? 時給950円の生活も知らない奴らが、市民のしあわせ、語るな! 自己責任? ワケわかんない! 卵焼きはどうがんばったってステーキじゃないんだよ。

 本物のステーキが食べたい!!! 誰にだって、ステーキ食べられる権利、ありますよね? あるでしょう、あるんです!

 だから、しあわせなフリは止めて、本当の、本当に、しあわせになりましょうよ!



▪️「誰にだってステーキ食べられる

権利、ありますよね」


 本物のステーキが食べたい! ステーキを食べる権利は誰にだってある! これって、要するに憲法25条「すべて国民は健康的で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」のことだ。
 
 生きる最低限の衣食住ではなくて、ほんの少しの贅沢。この演説に対し「働かないヤツには、ステーキ食べる権利、ねーよ」と批判する声もネットではあったし、たぶん生活保護受給者がステーキ食べたいと言ったら「贅沢だ」などとバッシングされるのかもしれない。

 家族が仲良しで、卵焼きをステーキと想像して食べることの豊かさももちろん、ある。だけど、ステーキくらい食べる権利は、誰にだってある。自分も、やっぱり本当は、本物のステーキが食べたい。現実を受け入れて、仕方ないとあきらめて、これでしあわせなんだと思い込むのは止めよう。「しあわせなフリはやめて、本当のしあわせになろう」篠原涼子は呼びかけるのだ。

 この演説を通りがかりにたまたま聴いた、石田ゆり子演じる保育園のママ友・平田和美は、この篠原の演説に心動かされ、選挙活動を応援させてほしいと協力を申し出る。

 石田ゆり子は、新聞記者で政治部経験もあったのだが、産休から復帰後は、閑職にとばされてしまっていた。

ヒドいけど、仕方ないの。いまの社会がそうなんだから、って納得しちゃってたの。でも、納得しちゃいけないんだよね。智子さんの演説きいて、そう思ったよ。『しあわせなフリは止めて、本当の本当にしあわせになりましょう』って」

「わたし家のなかとかめちゃくちゃなの、いまの仕事もやりがいのあるものじゃないし。でも、こんな世の中だからってあきらめて、しあわせなフリをしてたの。ねえ、智子さん、自分ががんばってもどうしようもないことって多いじゃない? それをなんとかするのが政治家だって思うの。だから、みんな期待してるのよ、あなたに」


 そうして、ママ友たちを中心に篠原を応援する輪はどんどん広がり、最初は「中卒で政治家なんかできるの」とバカにしていたママ友も協力するようになる。そして、最下位繰り上げながら当選し、見事市議会議員になる、というところで第1話は終わる。


▪️上層部のツルの一声で、第一回の

放送が総選挙後に


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