Yoko's 人生=旅 on this Blue Planet
高速回転中の青い惑星地球、負けじと走り回る一人の記録。
私が出会った北朝鮮工作員たち 第5回:北朝鮮が使う「スパイ術」で、日本の警察組織をかく乱した主婦がいた 2017.11.5. (現代ビジネス)
私が出会った北朝鮮工作員たち 第5回:北朝鮮が使う「スパイ術」で、日本の警察組織をかく乱した主婦がいた 2017.11.5. (現代ビジネス)


日本の行方不明者数は8万~10万人規模

背乗りの被害? 身分を乗っ取られた?

 警察庁の資料によれば、統計を始めた昭和31 (1956) 年以降、平成27(2015)年まで日本の行方不明者数は8万~10万人規模で推移し、8万人を下回ったことはない。 平成27年中における行方不明者の状況
 このうちの何人が、背乗りの被害に遭っているのか、あるいは行方不明者としてカウントすらされないうちに身分を乗っ取られた人が何人いるのか。いずれにしろ確かなことは、工作員たちは実際に日本に浸透し、活動しているということだ。


アメリカとの言葉の応酬がエスカレートし、戦争の不安も高まる北朝鮮。しかし、北朝鮮の脅威はすでに、あなたの隣に迫っているかもしれない……。日本にも数多く潜伏している北朝鮮の工作員たち。彼らはいったい何者で、どんな生活を送っているのか。公安警察や元工作員への取材を重ねてきた報道記者・作家で『スリーパー 浸透工作員』の著者でもある竹内明が、日本に潜む工作員たちの実像に迫ります。
(前回までの内容は、 こちらから



▪️そのスパイ手法は、すでに浸透している…

警視庁公安部の捜査員は、東京都の旅券事務所からこんな相談を受けたという。

「ある男性が旅券の申請にきたのだが、すでに旅券が発行されていた。似ても似つかぬ別人が旅券を入手している」

背乗り」事案か――。

背乗りは「はいのり」と読む。公安警察の用語で、工作員や犯罪組織の構成員が他人の身分を乗っ取って、その人に成りすますことを指す。

相談を受けた捜査員は、届け出住所から旅券を入手した男の勤務先を割り出した。都内に構えられた事務所には、怪しげな男たちが出入りしていた。

徹底した「行確」、つまり行動確認によって、捜査対象を調べ上げるのが公安捜査の手法だ。だが、事務所に出入りする男たちは尾行を警戒し、「点検」を繰り返す。電車の発車直前に飛び降りたり、飛び乗ったりする。歴戦の公安捜査員でも「失尾」(尾行に失敗)してしまうのだ。

やつらは、北の工作員ではないのか――。



こんな考えがよぎったという。だが、粘り強く尾行を続けると、この男たちの正体が見えてきた。捜査員は、こう明かす。

「やつらはパソコンの大量注文をかけては、倒産を装って代金を支払わず、仕入れたパソコンを売りさばいていた。名前がころころ変える、正体不明の男たちだった」

男たちは「取り込み詐欺」を繰り返すグループだったのだ。主犯格の男宅を捜索すると、6冊の日本パスポートが出てきた。写真は同一人物なのだが、名前はそれぞれ異なっている。しかし、いずれも真正旅券だった。

男は6人もの別人に背乗りしていたのだ。なりすましの被害にあった人々による調査をかいくぐるために、名前を変えながら生活していた。

「被害を受けた男性のひとりは、金に困っていた時期があり、知り合いを通じて戸籍を売ったことがあるという。被疑者は、ブラックマーケットからその戸籍を買っていた。逮捕歴のない、旅券の申請歴のない人物の戸籍は高く売買されるらしい。

工作員? あいつらは違うよ。北朝鮮やロシアの工作員は、こんなドジはしない。絶対に本物が現れないよう、連れ去るか、殺すか、だ
(公安捜査員)

この公安捜査員が「北朝鮮やロシア」と並べて指摘したことには、意味がある。北朝鮮の工作機関と旧ソ連のKGBは、同じスパイ手法を使うのだ。公安捜査員はこう続けた。

「北朝鮮の工作機関と旧ソ連のKGBのつながりが深い。留学などによる人的交流もあったし、軍事交流もあった。KGBは時には北朝鮮と友好的に振る舞い、時には北朝鮮に工作をしかけた。そんなKGBのノウハウが、北朝鮮の工作機関に取り入れられている」

KGB式の工作手法とはいかなるものか。今回は日本で発生した「黒羽一郎事件」のケースを詳述していきたい。


▪️CIAからの極秘情報

「ロシアのスパイである黒羽一郎という名の日本人が、日本国内でアメリカの軍事情報、日本の産業情報を収集する諜報活動をしている」

捜査の端緒は、CIAから警察庁にもたらされた極秘情報だったという。

その極秘情報によると、男の名は「黒羽一郎(くろば・いちろう)」。ただちに、警視庁でロシアを担当する公安部外事一課(ソトイチ)が動いた。

黒羽一郎は、1930年4月6日、福島県西白川郡矢吹町生まれ。東京・練馬区の自己所有のマンションで、妻・日出子(仮名)とともに暮らしていることになっていた。しかし黒羽は1995年2月に中国・北京に向けて出国して以来、日本に帰国していないことがわかった。

ソトイチは練馬区のマンションに住む妻・日出子を監視下に置いた。黒羽との接触をつかむためだ。捜査員は幹線道路を挟んだ向かい側の古いマンションの一室を拠点として借り上げ、妻・日出子が生活する部屋を24時間態勢で視察することにした。

同時に、ソトイチは黒羽一郎の生い立ちを辿った。 


写真詳細、記事の続きは上の タイトルから元記事へ>>


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テーマ:軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル:政治・経済

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