Yoko's 人生=旅 on this Blue Planet
高速回転中の青い惑星地球、負けじと走り回る一人の記録。
原発震災:放射線障害について
再掲載:3.25.11

名古屋大学の「だいずせんせい」の放射線障害に関する記事です:

原発震災(3)放射線障害について
名古屋大学「だいずせんせい」

放射線障害について

「放射線が人体に与える影響について、なかなかわかりずらいので、多少の解説をしたい。今日(3月13日)の朝の会見で、枝野官房長官は、双葉町住民の被爆について触れ、1800cpmから40,000cpmの放射線量について「専門家のご判断によると、こうしたものが表面に付いているという状況に留まるならば、健康に大きな被害はないという報告もいただいております」と述べている。報道の中には住民の被曝について「当面の健康被害が心配される状況ではない」という文言も耳にする。

 それぞれ、正しい言い方と思う。しかし、知識がなければ間違った印象を持ってしまう。

 放射線を浴びた時に生じる人体の障害は、急性障害と晩発性障害というのがある。急性障害というのは吐き気からはじまって、最後は、体中から出血して死亡するプロセスである。広島、長崎の原爆投下後に多くの方がこれで亡くなった。直接被爆せず、救援に入った多くの兵士も残留する放射能を浴びて同様に亡くなっていった。近くは1999年、東海村で発生したJCO臨界事故で二人の作業員の方がこれで亡くなった。

 もちろん、今回の被曝線量はこのような急性障害が出るレベルではない。もし吐き気でも感じようものなら、確実に死が待っているのである。そういう意味では、当面の健康被害が心配される状況ではない。官房長官の発言もそれが急性障害をさしているのであれば、完全に正しい言い方である。

 
しかし、問題は晩発性障害である。これはつまりガンのことである。まず事実から(中国新聞の記事参照)。1991年、中部電力の浜岡原子力発電所で働いていた当時29歳の嶋橋伸之さんが慢性骨髄性白血病で亡くなった。彼は8年10ヶ月の作業の中で、計50.63ミリシーベルトの被曝をしていた。これに対し、1994年、磐田労働基準監督署は労働災害を認定した。つまり、この被曝と白血病の間の因果関係を認定したのである。前の記事で書いたとおり、業務で放射線被曝がさけられない場合、法律では年間50ミリシーベルトまでの被曝が認められている。嶋橋さんの被曝量はもちろんこれよりも少ない。ところが労基署の労災認定の基準は年間5ミリシーベルト以上なのである。この基準を満たしているということだ。

 放射線を浴びることによってガンになる、ということを理解するには、インフルエンザウイルスに感染してインフルエンザにかかるのとは違う難しさがある。同じ放射線量を浴びてもガンになる人とならない人がいる。それは確率的なものなのである。今回、住民が被曝したことは、将来のガンの発生率に影響するだろう。しかし、それを科学的に認識するためには、何十年も住民の健康状態を追跡した上で、放射線をあびてない人たちとくらべて、ガンの発生率が1万人あたり何人か、ということを計測してはじめて認識できる。それはあくまで確率として言えるもので、その時までにガンになった人について、そのガンが放射線被曝したせいかどうかは、ひとりひとりについて因果関係を言うことはきわめて困難なのである。

 ある人がガンになったとして、それが今回の放射線被曝と因果関係があるとは証明できない、という意味では「健康に大きな被害はない」というのは正しい言い方である。しかし、これはブラックユーモアと言うしかない。つまり、意に反する放射線被曝は「浴び損」なのである。

 では、被曝してしまった人はどう考えればよいのか。「当面の健康被害が心配される状況ではない」のでそのことについて心配する必要はない。将来のガン発生の確率が上がったかもしれないことは現実として受け入れざるを得ない。ただし、それは確率の話であって、自分がガンにならない側の集団に入るよう努力すればよいのである。それは可能なのである。これ以上の被曝をしないよう注意すれば、不安に感じる必要はない。

 ただ、まだ被曝していない人は被曝しないよう最大の努力をしていただきたい。繰り返しになるが、特に妊娠している可能性がある女性は原発の冷却作業が終わるまでは県外に出ることをおすすめしたい。

 今日(13日)も一時的ではあれ、福島第一原発の敷地境界で1,000マイクロシーベルト/時を超えた。これは丸二日そこにいれば50ミリシーベルトを超える量である。それは、嶋橋さんが労災認定された総被曝線量に等しいのだ。これを安心できる状況とは決していえない。危険な状況は続いている。また原発周辺への放射能汚染は確実に起こっているだろう。正しい知識を得て、注意をおこたらず、そのことによって、不安を払拭していただきたいと思う。」
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テーマ:東北地方太平洋沖地震 - ジャンル:ニュース

コメント
この記事へのコメント
だいず先生
最近Yokoさんのブログはアップが多過ぎて、
見過ごしてしまったのがあります。
今日改めて拝見させて頂きました。
でもこれを読んだら、みなさん考えることが出来ると思います。
適切な情報は人を煽るのではなく、
自分自身で判断する材料になると思います。
私のブログでも紹介させて頂きます。
2011/03/25(金) 06:36:49 | URL | takechan0312 #-[ 編集]
最近。。。: だいず先生
takechan0312さん、おはようございます。

> 最近Yokoさんのブログはアップが多過ぎて、見過ごしてしまったのがあります。
> 今日改めて拝見させて頂きました。
> でもこれを読んだら、みなさん考えることが出来ると思います。
> 適切な情報は人を煽るのではなく、自分自身で判断する材料になると思います。
> 私のブログでも紹介させて頂きます。

はい、どうぞ。小さな記事なので飛ばしてしまっている方も多いかもです。。。
良い内容なのですが。
2011/03/25(金) 07:35:11 | URL | yokoblueplanet #-[ 編集]
すごくわかりやすいです!!!
と旦那さんんと話してました
本当に今後どうなるのか…

非難区域外の人達に自主避難と政府がいってますが、おいおいおい、自主避難ですか???
ガソリンないし、なんて投げやり発言
どうやって避難すればいいかわからないでしょ?
国民の事わかってるのか?ってあまりにもなさけないっていうかばかっていうか悔しいっていうか…
2011/03/26(土) 10:36:55 | URL | hirohiro #-[ 編集]
だいずせんせい: すごくわかりやすいです!!!
hirohiroさん、こんばんは。(こちら夜の7時20分です)

> と旦那さんんと話してました
> 本当に今後どうなるのか…

確かに。私も若い甥や姪が150~160km圏内にいるので、気が揉めます。
だいず先生の記事、良いですよね。最初掲載した時は、小さくしておいたためか、皆さん、あまり目を通していなかったようなので、再度掲載しました。しばらく最初に置いておくようにします。

> 非難区域外の人達に自主避難と政府がいってますが、おいおいおい、自主避難ですか???
> ガソリンないし、なんて投げやり発言
> どうやって避難すればいいかわからないでしょ?
> 国民の事わかってるのか?ってあまりにもなさけないっていうかばかっていうか悔しいっていうか…

そうなんです、一体何人の国会議員が現場に入って現状を見ているのか、それも怠業な「視察」ではなく。
ほとんど誰も現場に足を運んでいないようで、行政の顔が見えない人たちには不安がつのっている様子です?!もう全員議員首か、報酬を返上するか、減俸ですね、普通に私企業の感覚で考えたら。
ただ、バスを出すと云う話はあるみたいですが。。。ちょっと対応が遅過ぎますよね。
こちらの記事で、今既に50万人近くが地震/津波の被害で避難しているので、その上に100万単位の人が移動するとなると、手が回らなくなるからと云う配慮もあるのではないか、と云う説がありました。
それは無いでしょう、と云う気もします。。。
2011/03/26(土) 11:28:43 | URL | yokoblueplanet #-[ 編集]
はじめまして
 yokoblueplanetさん はじめまして。
私のブログにコメント ありがとうございましたm(_ _)m

 「だいずせんせい」の記事のご紹介 ありがとうございました<(_ _*)> アリガトォ
 きっと後で、政治家、東京電力、御用学者(専門家)は、「あの時 人体に影響は無いと言ったが、それは急性障害に対してのみのことで…。」と言い逃れをするに違いないと思います。

 農家には申し訳ないですが、私は 風評被害まで国が補償するのを検討するのはおかしいと思います。
 厚生労働省のHP3月23日の「食品の摂取制限及び出荷制限について(福島県及び茨城県)」の中の別添PDFに、福島県の摂取・出荷制限の品目として
「非結球性葉菜類及び結球性葉菜類」「アブラナ科の花蕾類」という単語や、その説明として「ホウレンソウ、コマツナ、キャベツ 等」「ブロッコリー、カリフラワー 等」という単語が出てきますが、
これで 福島県の野菜を食べようと思っても、どれが摂取制限が無いものか分かりますか。
 こういう国の周知の仕方が 風評被害を出しているのであって、政治家や役人の失敗を 税金でカバーしようとしているのに他なりません。
 補償は、すべて東京電力にさせるべきだと思います(・◇・)ナットク! 

 これからも どうぞよろしくお願いします(・・。)ゞ テヘ
ではまた☆
2011/03/27(日) 10:20:12 | URL | コウ #Qi8cNrCA[ 編集]
ありがとうございます: はじめまして
コウさん、ご訪問ありがとうございます。

> 私のブログにコメント ありがとうございましたm(_ _)m

こちらこそ、です。

>  「だいずせんせい」の記事のご紹介 ありがとうございました<(_ _*)> アリガトォ
>  きっと後で、政治家、東京電力、御用学者(専門家)は、「あの時 人体に影響は無いと言ったが、それは急性障害に対してのみのことで…。」と言い逃れをするに違いないと思います。

あまりにも方針の無い対応で、今後どうなるかと考えると気が遠くなりそうです。実際問題として、そんな悠長な事云っていられる事態ではないですが。一番の問題は、国民あっての国家であると云う事を完全に失念している事です。

>  農家には申し訳ないですが、私は 風評被害まで国が補償するのを検討するのはおかしいと思います。
>  厚生労働省のHP3月23日の「食品の摂取制限及び出荷制限について(福島県及び茨城県)」の中の別添PDFに、福島県の摂取・出荷制限の品目として
> 「非結球性葉菜類及び結球性葉菜類」「アブラナ科の花蕾類」という単語や、その説明として「ホウレンソウ、コマツナ、キャベツ 等」「ブロッコリー、カリフラワー 等」という単語が出てきますが、
> これで 福島県の野菜を食べようと思っても、どれが摂取制限が無いものか分かりますか。
>  こういう国の周知の仕方が 風評被害を出しているのであって、政治家や役人の失敗を 税金でカバーしようとしているのに他なりません。
>  補償は、すべて東京電力にさせるべきだと思います(・◇・)ナットク! 

日本のアキレス腱は、原発もありますが、食料自給力がやっと40%とと云う事実にあります。今回の原発人災でこれまで豊富に食料を生産してきた豊かな大地が汚染されています。誰が補償する事になるかは二義的な問題で、日本の食料事情をどうするかが真の問題であると思います。もしこのまま世界規模で天変地異が続く事になると、どこも食料調達にきゅうきゅうし始めます。その時に日本が必要とする60%の食料を、どこが出してくれるでしょうか?まずこの問題の解決を早急に図らないと、、、と気を揉んでいます。

>  これからも どうぞよろしくお願いします(・・。)ゞ テヘ
> ではまた☆

こちらこそよろしくお願い致します。
2011/03/27(日) 14:33:46 | URL | yokoblueplanet #-[ 編集]
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