Yoko's 人生=旅 on this Blue Planet
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「第2部・迷走(3)怠慢/ヨウ素被ばくを看過」2012.4.21. 神話の果てに(東北から問う原子力)
「第2部・迷走(3)怠慢/ヨウ素被ばくを看過」2012.4.21. 神話の果てに(東北から問う原子力)

写真: 弘前大グループによるヨウ素131の被ばく調査=2011年4月15日、浪江町津島地区(床次教授提供)>>

<安心感得られず>
 東京電力福島第1原発事故で福島県浪江町から宮城県に避難する男性(35)は1月、いわき市の病院で家族の体内被ばく量を検査してもらった。幸い長女(6)と次女(3)からは検出されなかったが、安心できない。

 「事故当初のヨウ素被ばく量が含まれていないから」と男性は言う。

 放射性のヨウ素131の寿命は短い。その量は8日で半分、1カ月で14分の1、3カ月過ぎると2435分の1…。時間がたてば測定機の検出能力を下回り、確認できなくなる。

 昨年3月14~15日、男性の一家は原発の北西約30キロの浪江町津島地区に避難。子どもたちは14日に1時間ほど外で遊び、15日は雨にもぬれた。

 浪江町民約8000人が避難した津島地区は線量が高かった。15日夜の文部科学省の測定では毎時270~330マイクロシーベルト。事故前の数千倍だった。

 15日午後、南相馬市に移り、男性と家族が検査を受けると、測定機の針が振り切れた。数値は教えられず、服を洗うよう指示された。

 男性は「子どもたちがどれぐらい放射線を浴びたのか分からない。まめに健康検査を受けるしかない」と途方に暮れる。

<「運搬できない」>
 ヨウ素131はウランの核分裂によってでき、甲状腺に蓄積する。原発事故で環境中に放出された場合、セシウム137(半減期約30年)とともに、最も警戒しなければならない放射性物質だ。
 

昨年3月末、国はいわき市と福島県川俣町、飯舘村に住む0~15歳の約1100人を対象に、甲状腺被ばくの簡易調査を実施した。基準を超えるケースはなかったとされたが、実は使用した測定機にヨウ素の量を特定する機能はなかった。


 原子力安全委員会は政府の原子力災害対策本部に、甲状腺モニターを使った追跡調査を提案したが、実行されなかった。「モニターは重く運搬が困難」「本人や家族、地域に不安を与える恐れがある」との理由だった。

 県は昨年10月、ようやく18歳以下の全県民を対象に甲状腺検査を始めた。これまで異常のある人はいなかったという。

 だが、津島地区で避難中に被ばくした人たちの怒りは収まらない。浪江町の紺野則夫健康保険課長は「国や県はわざと検査を遅らせたとしか思えない。子どもたちに、もし(放射線の)被害が出たらと思うと、胸が張り裂けそうになる。許せない」と批判する。

 線量が一気に高まった事故当時、一体どの程度のヨウ素を体内に取り込んだのか。今となってはデータ不足のため、推測するしかない。

 弘前大被ばく医療総合研究所の床次真司教授は昨年4月12~16日、津島地区の住民ら62人を対象にヨウ素による被ばく量を測定した。測定機の重さは2キロにすぎない。

<成人最大87ミリシーベルト>
 

体内に残っていたヨウ素131を基に、1カ月前の3月12日の1日で吸い込んだと仮定して試算すると、甲状腺に与えた放射線の影響(等価線量)は成人で最大87ミリシーベルトにもなった。その数値を1歳児に単純換算すると700ミリシーベルトを超える。もちろん外にいた時間や空中のヨウ素濃度によって、この数値は大きく変わる。



 

精度を上げるために床次教授はより多くの人を調べようとしたが、調査は5日間だけだった。県からやめるよう求められたという。



 線量がピークだった昨年3月中旬のヨウ素の濃度を知るデータは、ほとんど残っていない。床次教授は「追跡調査を行わなかったり、データを蓄積しなかったりしたことがかえって、住民に不安を抱かせる結果になっている」と指摘する。

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テーマ:原発事故 - ジャンル:ニュース

コメント
この記事へのコメント
浪江町の津島地区に避難した人が、防護服を着て測定している人を見かけ声をかけると、「なぜこんな所にいるんですか。すぐ逃げてください。」と言われた話があります。
この記事の数値は、今なら4号機の使用済み燃料プールのそばと同じです。(4号機公開時の値)
SPEEDIのデータは福島県にもリアルタイムに送られています。被ばく量の調査を県が止めたとは、何なんでしょうか?
事故調で知事が県の落ち度を認めてましたが、それなら相応の対応をしてあげるべきですね。
2012/05/30(水) 19:11:57 | URL | ktpage #-[ 編集]
病院での検査も止められた。
ktpage さん、こんばんは。

> 浪江町の津島地区に避難した人が、防護服を着て測定している人を見かけ声をかけると、「なぜこんな所にいるんですか。すぐ逃げてください。」と言われた話があります。
> この記事の数値は、今なら4号機の使用済み燃料プールのそばと同じです。(4号機公開時の値)
> SPEEDIのデータは福島県にもリアルタイムに送られています。被ばく量の調査を県が止めたとは、何なんでしょうか?
> 事故調で知事が県の落ち度を認めてましたが、それなら相応の対応をしてあげるべきですね。

今回の国や県の対応は犯罪です,意図的に被ばく状況が判らないように画策し,明らかに被爆した人々の健康を守るための予防策を講じなかったばかりか、その後人々が病院で検査を受けようと思っても止められたとか,病院にお達しが届いていて検査をするなと云われたとかの話がありますね。
福島県に限って言えば,福島医大に送り込まれた県外からの医師資格を持つけれど「仁」の心得の無い人の指示ではないでしょうか。
2012/05/30(水) 21:06:28 | URL | yokoblueplanet #-[ 編集]
ひどい、、
私も同じ親として胸が引き裂かれそうです。 子供が外で遊んで、雨に濡れてと普段ならなんでもないことなのに、、。
針が振り切れたときの気持ちを考えると、。
犯罪ですね、本当に。

それから昨日からテレビでやってるサンディエゴのマグロの話しも気になりますね。
2012/05/31(木) 03:41:16 | URL | tomotan #-[ 編集]
回遊魚: ひどい、、
tomotan さん、こんばんは。

> 私も同じ親として胸が引き裂かれそうです。 子供が外で遊んで、雨に濡れてと普段ならなんでもないことなのに、、。
> 針が振り切れたときの気持ちを考えると、。
> 犯罪ですね、本当に。

本当に酷い国の裏切りですよね。原発再稼働でもでたらめばかりを言っている政権。
なぜこんな事がゆるされているのか、、、
既に色々な症状が出ている放射能被害、3年、5年経って被曝が原因の病気が多発する事になったら、親達は悔やんでも悔やみ切れない。更に子どもや青年、壮年が病気になると云う事は、日本の未来が病気になる事。
国の存亡が掛かっている問題なのに,政財官が一緒になってでたらめ発言ばかり。
昨日はシエラネヴァダ山脈の山麓を移動中,あまりの情けなさに涙が出てきました。

> それから昨日からテレビでやってるサンディエゴのマグロの話しも気になりますね。

はい、マグロ等回遊魚がどれくらいの行動範囲なのか知らないのですが、以前から回遊魚の放射能汚染に注意しなければならないと云われてきましたね。それと原発から垂れ流されている放射能汚染水がどこまで拡散しているのかと云う問題もありますね。
日本からの津波震災の瓦礫は既にアラスカのモンターギュ島などに大量に到着していますから、色々懸念材料はありますよね。一昨日のニュースだと、この島に漂着した瓦礫の放射濃度はほとんど無いに等しいとの事でした。
2012/05/31(木) 13:18:44 | URL | yokoblueplanet #-[ 編集]
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