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『第1部・不作為(4完)軽視/活断層、覆る「不可知」』2012.3.17. 神話の果てに(東北から問う原子力) 河北新報
『第1部・不作為(4完)軽視/活断層、覆る「不可知」』2012.3.17. 神話の果てに(東北から問う原子力) 河北新報

写真:湯ノ岳断層の活動で地割れした畑=2月16日、いわき市常磐藤原町>>

<判断 迫られ変更>
 昨年4月11日、東日本大震災が誘発したマグニチュード(M)7.0、最大震度6弱の内陸地震がいわき市を襲った。市中央部にある湯ノ岳(標高594メートル)山麓を走る断層が動き、地割れや隆起の被害が相次いだ。

 この「湯ノ岳断層」は東京電力福島第1原発から約50キロ、第2原発から約40キロにある。国の耐震設計審査指針の手引は、原発から30キロ圏内の地形や地質特性の調査を求めているが、圏外は「影響が大きいと考えられる活断層の存在が想定される場合」に限っている。

 東電はこれまで、湯ノ岳断層を耐震設計の考慮外としてきたが、昨年12月になって「両原発の耐震設計上、考慮すべき活断層だった」と認めた。

 東電は震災後も経済産業省原子力安全・保安院に「活動性はない」と報告。断層活動を疑った同院から再評価を指示され、判断を変えた。

 産業技術総合研究所(茨城県つくば市)によると、4月11日の地震は、地層が両側から引っ張られてずれる「正断層」型。両側から押されてずれる「逆断層」型が多い東北地方で正断層地震は起こらないという従来の「常識」と、正断層を考慮してこなかった耐震設計の考え方のいずれもが覆された。

 同研究所の今西和俊主任研究員(地震学)は「震災後、列島規模で多くの断層が活動を始めた」と驚く。

<青森沖に存在も>
 原子力施設が集中立地する青森県でも活断層をめぐる論争が尽きない。
 「私は納得しておりません」。2010年8月、原子力安全委員会の会議室に池田安隆東大大学院准教授(変動地形学)の声が響いた。

地図:断層、福島/青森>>
 東北電力東通原発(東通村)日本原燃使用済み核燃料再処理施設(六ケ所村)耐震安全性をめぐり、事業者が実施した再評価の結果を検討するワーキンググループ(WG)の会合。「2施設の沖合に考慮すべき活断層はない」と引き取られた議論に、WG委員の池田氏が異を唱えた。

 池田氏は、下北半島東部沖にある「大陸棚外縁断層」がM8級の地震を引き起こしかねないと指摘していた。「地層の中に断層が動いた証拠がある。普通の地質学者であれば、同じ判断をするはずだ」と強調する。

 議論の取りまとめ役だったWG主査の山崎晴雄首都大学東京大学院教授(地震地質学)は困惑気味に振り返る。「活断層の評価には『かもしれない』という不確定さが残る。リスク評価と社会的影響を総合判断して、結論を出すしかなかった」

<東北電が再評価>
 昨年10月には、渡辺満久東洋大教授(変動地形学)らが「東通原発の敷地内に活断層が存在する」と発表した。保安院は翌月、敷地内の断層の活動性を再評価するよう東北電力に指示。同社の検討作業が続いている。

 渡辺氏らによると、敷地内に12万~8万年前の火山灰を含む地層が3メートルほどずれている箇所があり、耐震設計審査指針が考慮対象とする後期更新世(13万~12万年前)以降の活動があった可能性が高いという。

 東北電力は、地層が水を含んで膨張した「膨潤作用」との見方を示す。渡辺氏は「膨潤作用で地層がずれることはあり得ない」と言い切る。

 同じデータに基づいても一様でない活断層評価には、論争がつきまとう。だが、福島第1原発事故後、国や電力会社がこれまで「不可知」であることを強調し、災害リスクを軽視してきた経緯も明らかになってきた。

 原子力施設周辺で動かないはずの断層が動けば、取り返しのつかない結果になる恐れがある。

 「だから(専門家として)言うべきことは言う」。池田、渡辺両氏は同じ言葉を口にした。


(原子力問題取材班)=第2部は4月中旬から掲載

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テーマ:原発事故 - ジャンル:ニュース

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