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【日米同盟と原発】 第6回「アカシアの雨 核の傘」 (3)最後にほほえみたい  2013年2月26日 中日新聞
【日米同盟と原発】 第6回「アカシアの雨 核の傘」 (3)最後にほほえみたい  2013年2月26日 中日新聞


blog 1960年6月24日、国会突入デモで亡くなった東大生、樺美智子さんの「国民葬」
1960年6月24日、国会突入デモで亡くなった東大生、樺美智子さんの「国民葬」と銘打って行われたデモ行進


 日米安保条約の改定をめぐる国会審議は、社会党(現・社民党)など野党の反発で紛糾が続いた。

 労組団体の総評(現・連合)や原水爆に反対する市民団体、大学自治会の学生らも列島各地で集会を開き、国会前では「安保批准反対」を叫ぶデモが繰り返されていた。

 米大統領アイゼンハワーの初来日を一カ月後に控えた一九六〇(昭和三十五)年五月二十日未明。与党の自民党は過半数を占める衆院で強行採決に踏み切り、条約改定を承認する。大統領来日までの国会承認を目指し、参院の議決がなくても三十日後に自然承認される「衆院の優越」の適用を計算した岸の執念だった。
 しかし、国会に五百人もの警官を動員するなど強引な国会運営に批判が強まり、逆に安保闘争を勢いづかせた。

 「アメリカの核の傘に入り、冷戦に巻き込まれる軍事同盟には反対だった。岸政権への反感がエネルギーとなり、運動は一気に広がった」そう振り返るのは当時、反対デモに参加していた現在七十一歳の元参院議長、江田五月

 国会や首相官邸の周辺では連日、学生らが腕を組んで左右に蛇行する「ジグザグ行進」を展開。デモは東京・渋谷にある岸の自宅前にも押しかけた。

 当時、岸の秘書を務めた現在八十六歳の堀渉は「まだ幼かった(現首相の)安倍晋三さんが遊びに来て『アンポ、ハンターイ』とデモのまねをしていました」と語る。

 衆院の強行採決からほぼ一カ月後の六月十五日。国会を取り囲んだ四千人の学生が敷地内になだれ込み、警官隊と衝突。東京大文学部四年の樺(かんば)美智子(22)が死亡した。安保闘争で死者が出たのは初めてだった。

 警察は「学生の転倒が原因の圧死」と発表。人の波に押されて転んだ樺が、後列の学生によって踏まれた事故死と断定した。

 しかし、樺の同級生で二、三列後ろにいた現在七十五歳の長崎暢子は「警察官の暴行が原因だと思う」。「彼らは学生の頭を警棒でボカボカ殴り、見えないところで腹を突いてきた」と証言、自身も頭を殴られ、二日間入院した。

 後方にいた東大教養学部一年の江田も「前方で、樺さんと警察官が対峙(たいじ)していた」。樺は東大生を束ねるリーダーの一人で、以前から顔を覚えていたという。

 当時、民間病院の内科医だった現在八十七歳の丸屋博は司法解剖に立ち会った国会議員を通じて入手した情報から「腹部への強い衝撃と首を絞められた窒息によって死亡した可能性がある」との見解を示した。だが事故死とする警察の見方は覆らなかった。

 安保闘争が生んだ「悲劇のヒロイン」として語られた樺。有志らが「国民葬」と銘打った樺の葬儀が東京・日比谷公会堂で行われたのは、日米両政府が改定後の新条約を批准した翌日の六月二十四日だった。二万二千人が参列し、遺影を掲げて国会までデモ行進した。

 しかし、ともに文学や歴史を愛し、気の合う友人だった長崎は「樺さんは革命というよりも、当時の日本にはなかった女性の社会進出や男女同権に関心を持っていた」と話す。

 父親は大学教授だったが「樺さんは『いいところの娘さん』と出自で判断されるのを嫌がった。きれいな服装の女子学生が増える中で、目立たないように地味な服ばかり着ていた」。大学院への進学を望んでいた樺が「私には決まった人がいる」と恋愛話を打ち明けたこともあった。

 東京・多磨霊園の墓碑に刻まれた樺の詩。彼女が高校生の時に創作したその詩からは、控えめだった少女の面影が浮かび上がる。

誰かが私を笑っている
(中略)
でも私は
いつまでも笑わないだろう
いつまでも笑えないだろう
それでいいのだ
ただ許されるものなら
最後に
人知れずほほえみたいものだ

 <日米安全保障条約> 正式名称は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」連合国軍占領中の1951年にサンフランシスコ講和条約とともに結んだ旧条約を改定し、60年1月19日に署名・調印、6月23日に発効した。日米同盟の中核となる条約で、現在まで続いている。米国の日本に対する防衛義務や「極東の平和と安全の維持」を理由に米軍が日本国内の基地を使うことが明記されている。60年の改定時に続き、70年の条約延長時にも反対闘争が勃発。学生が「ヘルメットとゲバ棒」で武装して戦ったが、内ゲバが起きるなどして退潮した。

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テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済

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