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「小出裕章ジャーナル」: 『ビキニ環礁での核実験 &北朝鮮の核開発問題について』 2013.3.30. 「ラジオフォーラム第12回」
小出裕章ジャーナル」: 『ビキニ環礁での核実験 &北朝鮮の核開発問題について』 2013.3.30. 「ラジオフォーラム第12回」

小出裕章非公式まとめ」経由:

番組内容:「59年前の3月にアメリカが行ったビキニ環礁での核実験で、いまだ永住できない島があるほどの汚染をもたらした死の灰について。北朝鮮の核開発問題について」

20130330 R/F #012「小出裕章ジャーナル」



【パーソナリティー】:石丸次郎(ジャーナリスト)

【電話出演】:小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
◆石丸:小出さんと電話がつながっております。
小出さん、今日もよろしくお願いいたします。

◆小出:はい、こんにちは。
よろしくお願いします。

◆石丸:え〜、今日はですね、え〜、核実験のことについてちょっとお伺いしたいと思うんですけれども。

◆小出:はい。

◆石丸:今から59年前の1954年3月、え〜、太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で、アメリカが水爆実験を行いましたね。
え〜、このとき、所謂死の灰を被った第五福竜丸の乗務員の久保山無線長が半年後に亡くなるという痛ましい事件になってしまいましたが、あのこの死の灰、これはあのまあよく聞く用語なんですけれども、どのように理解すればいいでしょうか。

◆小出:はい、え〜、ウランという物質を核分裂させるということが原爆の原理ですし、現在やっている原子力発電所の、まぁ原理でもあるのです。
ウランを、そして核分裂させてしまいますと、核分裂生成物というおよそ200種類に及ぶ放射性物質が出来てしまう、のです。
で、元々ウラン自身が放射性物質ですので、え〜、危険なものなのですが、それを核分裂すると、放射能の強さが約1億倍に膨らんでしまうという。


◆石丸:1億倍。

◆小出:はい。そういう現象なのです。出来た核分裂生成物の中には、寿命が著しく短いものもありますし、また、長い寿命を持った放射性物質もある、のです。
で〜、それが原爆が爆発する、あるいはまあ水爆の起爆にも原爆を使っているのですが、え〜、原爆をここまで、爆発させてしまいますと、一気に大気中に吹き出して来る、わけですね。
で〜、短い寿命のものは、まあ被ばくをする人たちに届く前に消えてくれるものもある、わけですけれども、え〜、久保山さんたちが乗っていた第五福竜丸は、ビキニ環礁のかなり百何十キロだったと思いますけれども、ま、ところにいて、死の灰、所謂核分裂生成物が飛んで来るまでそれほど長い時間がかからないで、降って来てしまったわけです。
で〜、船の上でもう逃げることも出来ませんので、え〜、雪のように降ってきた放射性物質を浴びてしまって、そのまま汚れた船に乗ったままとにかく焼津まで逃げて帰ってきたわけですけれども、その間ずうっと被ばくをし続けてしまうということになりました。

◆石丸:あ〜、なるほど。
え〜百数十キロ離れた第五福竜丸ですら、まあ相当な死の灰を被ったわけですけれども、え〜、ビキニ環礁、あの当然、アメリカ政府、汚れることが、汚染されてしまうことを予測して、島民にまあ離島をさせてました。
ところが、元の島、住処に帰りたいという人たちが、70年代に139名が帰島をしてます。

ところが、あの健康不安があってちゃんと調査をせよということで、

98年にIAEAが、え〜、ビキニ環礁は定住してそこで得られる食料を摂ると、年間15ミリシーベルトに達するので永住に適さないという結論を出しているんですが、これ15ミリ。
ところが、福島の場合、2011年4月に、政府は計画的避難区域に指示をする基準をですね、20ミリシーベルトに、年間積算線量20ミリシーベルトを基準として出してきましたけれども、この20ミリシーベルト、IAEAは15ミリでも危ないと言ってるわけですけれど、永住に適さないと言っているわけですけれども、それを基準に考えたとき、この20ミリっていうのはどう考えたらよろしいでしょうか。



◆小出:もちろん適さない、のです。

元々日本というこの国では、普通の人々は1年間に1ミリシーベルト以上の被ばくをしてはいけないし、させてもいけないという法律があった、のです。
なぜかと言えば、被ばくをするということはあらゆる意味で危険で、仮に1ミリシーベルトに留まったとしても危険はある。
それでも日本というこの国で住む以上は、その程度の危険は我慢をしなさいということで引かれた基準が1年間に1ミリシーベルトというものだった、のです。


え〜、ただ、私は、例えば、京都大学原子炉実験所という職場で働いていまして、もちろん放射能を取り扱ったりするわけですね。それで給料も貰っていますので、え〜、私を雇っている側からすると、お前には給料をやっているのだから、被ばくは少しぐらい我慢をしろと言ってくるわけです。
そして、私の1年間に被ばくをしていいというか、まあそれ以上被ばくをしてはいけないという限度は、1年間20ミリシーベルト、なんです。
ですから、私のような極々特殊な人間で、それを仕事にして給料を貰っているというような人間は、その程度は諦めなさいと決められた基準なのです。
それを一般の人々に押し付けるというようなことは、もう到底許せないと私は思います。


◆石丸:それがその、私、北朝鮮の取材をですね、ずっと続けている中でですね、北朝鮮の内部の人たちとインタビューを繰り返していると、え〜、軍の統制地域のそば、あるいはおそらく核関連施設のそばでですね、あの〜、たくさんの死人が出ているとか、それから先天性異常の子どもが異常に多く生まれているという話を、不確かな部分をあるんですが、よく聞くんですよね。

◆小出:はい。

◆石丸:え〜と、核実験、武器としても非常に怖い一方でですね、あの北朝鮮という国でちゃんとした核物質管理がされているのかっていうことが非常に怖いなと、中に住んでいる人の立場、それから北朝鮮、朝鮮半島の大地が汚れるっていうこと、あの非常にやっぱり憂慮を感じるんですけれども、あの、まあ、あの〜本題とちょっと離れますけど、この北朝鮮の核実験については、何か実験の報を聞かれて、小出さん、どういう印象、感想を持たれましたか。

◆小出:私は、朝鮮民主主義人民共和国が、核兵器を持っているかどうかということそのこと自身に疑いを持っています。
え〜、核実験をしたというようなことを言っているわけですけども、え〜、それはむしろその朝鮮民主主義人民共和国のほうから自分の国が強いんだぞということを言いたいがための宣伝である可能性も未だ残っていると私は思います。
なぜかというと、核兵器を作ろうとすると、プルトニウムという物質を分離しなければいけなくて、それが再処理と呼ばれている工程なのです。
しかし、朝鮮民主主義人民共和国には再処理工場は無いのです、まだ。


◆石丸:ふ〜ん。

◆小出:ですから、基本的に私は、朝鮮民主主義人民共和国が核兵器を作る力は未だにない筈だと思っているのです。ただしまあ、あの〜核実験をやったと言っているわけですし、もしそうだとすれば、え〜、たいへんまあその不完全な形で再処理ということをやっている、工場もないのにですね。
もともと再処理というのは膨大な危険を抱えている作業でして、米国はハンフォードというところでやりましたが、ハンフォード周辺は膨大な放射能汚染をしています。
ロシアも原爆を作るために再処理をやりまして、チェリャビンスクというところでやったのですが、そこも膨大な放射能汚染をしてしまっていて、周辺の住民に被害が出ています。
ですから、どこでも原爆を作ろうとするようなところは、ん〜、環境を破壊しながら、人々に危害を加えながらやってきたわけです。
ましてや朝鮮民主主義人民共和国には再処理工場というその正式なものはない状態ですので、そんなところでもし再処理というような作業を本当にしたのであれば、環境が汚れることはもちろん避けることができませんし、周辺に被害が出ているということもうなずけます。

◆石丸:なるほど。
あの、なかなか情報があの出て来ない国で、だから故にですね、余計に被害の広がりなんか本当に心配になりますね、うん。
分かりました。どうも小出さん、ありがとうございました。
来週もよろしくお願いいたします。

◆小出:こちらこそありがとうございました。



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テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済

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