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神話の果てに〜東北から問う原子力:第7部・検証テレビ会議(上)窮乏/丸投げ 働かない想像力/本店 資材届けられず 2013年03月31日日曜日 河北新報
神話の果てに〜東北から問う原子力:第7部・検証テレビ会議(上)窮乏/丸投げ 働かない想像力/本店 資材届けられず 2013年03月31日日曜日 河北新報

blog 深刻な物資不足に追い込まれた福島第1原発。2011.3.20
深刻な物資不足に追い込まれた福島第1原発。事故直後は給油も手作業だった=2011年3月20日(東京電力撮影)

 東京電力の社内テレビ会議の録画映像は、原発事故に立ち向かう現場の苦闘を伝える一方で、深刻化していく事態に有効な対策を打ち出せない東電本店の姿も浮かび上がらせる。福島と東京の危機意識の差はさまざまなつまずきを生じさせた。テレビ会議での発言などを基に、東電の迷走を検証する。(原子力問題取材班)


≪「普通じゃない」≫

 東京電力福島第1原発は事故直後から、深刻な資材と人不足に悩まされた。原発から20キロ圏に避難指示が出た上、被ばくを恐れた業者が原発への行き来に難色を示したからだ。

 3月14日夜。原子炉への注水に使っている消防車の燃料が底を突きかけた。2号機の燃料棒は既にむき出しになったとみられ、注水を止めるわけにはいかない。

 「ぜひ燃料を用意していただきたい」懇願する部下に第1原発の吉田昌郎所長がこぼした。

 「このドタバタの中で物資も来ない。運ぶ人も来ない。少ない所員でやるったって無理よ。普通のプラントじゃなくなったんだけど。社長に言ってほしい。私は社長に申し上げるけどね」

≪結局 下請け頼み≫

 食事にも事欠いた。16日の原発内のアナウンスが窮状を物語る。

 「お昼…、朝昼兼用の食事の準備ができました。1人クラッカー1個まで。それと缶詰1個。スプーンが不足しているのでマイスプーンをできる限り使ってほしい。水も不足しているので空のペットボトルと引き換えに新しい水を持っていってください」

 現場のSOSを受け、本店は物資や機材を福島県楢葉町のJヴィレッジや、いわき市小名浜の石炭貯蔵基地に次々と送り込んだが、原発への輸送でつまずいた。運転手を手配しなかったからだ。

 16日午前10時ごろ、本店担当者が「モーターと電源盤が小名浜に届いているが、運転手がいないので運べない。第1、あるいは第2原発の協力の下にお願いしたい」と呼び掛けた。現場に人を派遣する余裕はない。

 吉田所長は「すみません。人員に関しては福島第1には期待しないでください」と返事するしかなかった。

 タンクローリーや重機などを操作できる東電社員が少なかったことも、混乱に拍車を掛けた。

 19日、吉田所長は「危険物と大型の免許を持っている人間がいないので(Jヴィレッジから軽油を)輸送する人を手当てしていただけるとありがたい」と訴えた。

 東電は結局、下請けに頼るしかなかった。水と油を原発まで運ぶ仕事をゼネコンに依頼。本店担当者は「早晩、社員を使わなくてもできるような態勢を組めると思います」と報告した。


≪限界認める報告≫

 対照的だったのは、フランスの核燃料会社アレバだ。東電に18日、空中散水などの機材をオペレーター付きで提供すると伝えてきた。

 「非常にけっこうなことで、まともな組織はそう考えます」。皮肉交じりに応じた吉田所長。現場への想像力が働かない本店へのいら立ちが込められていた。

 東電は昨年6月に公表した社内事故調査委員会の最終報告書で、「資機材の輸送は当社だけでは対応能力に限界がある」と認めた。では、担うのは誰か。国内最大の電力会社はその責任が自分たちにあるとは考えていない。報告書には「自衛隊などの関係機関を含めた態勢構築をお願いしたい」とつづられている。

(肩書は全て当時)

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テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済

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